衆議院議員(5期) 神奈川第5区(横浜市戸塚区・泉区・瀬谷区)

高齢者支援チーム発足にむけて ~ 家族、近隣住民、医療・福祉職が抱える課題をどう解決するか ~

■ 「独居世帯」を前提とした制度に
5月の予算委員会で、岸田総理に「いざという時に支援してもらえる人のいない単身者を巡る課題」について質問させていただいて以来、この課題の周辺に関して様々なお声を寄せていただいています。
岸田総理もこの問題への認識を持っていただいていることが、私たちの議員当選同期会に来られたときに話をされていたことでも確認できました。また内閣官房の中に「身元保証等高齢者サポート調整チーム」も発足しました。
家族が健在で一緒に(または近所に)住んでいることを前提にした現在の法律や制度の建付けを、一人暮らしがここまで増えており、今後も増えていく現状を鑑み、家族がいなくても周囲の人を煩わせないで済む仕組みに根底から作り替えていくことを目指さねばならないと、個人的に思っています。
これはどこから始めたらいいのかさえ悩まずにいられない大変な、且つ膨大な作業であり、時間もかかりますが、行政にも踏ん張ってもらい、着地させたいと思います。

■ 課題に直面しているのは誰か?
それと同時に、この周辺の様々な課題が今注目されつつあるように思います。
先日、NHKの特集で放送されていたのは、亡くなった独居高齢者の分譲マンションの部屋の整理に、そのマンションの管理組合が何百万円も拠出したという話でした。
所有者が亡くなった後に放置されている部屋があるというと、ここのマンション全体の価値が下がるため、同じマンションに住んでいる人たちがお金を出し合い、様々な手続きも行わなければならない結果になりました。
相続人がいるものの、負債もあり、長い間音信不通だったということで相続を放棄したため、その部屋にだれも手を付けられず、結局その部屋の存在に困る人、つまりそのマンションの住人がお金と労力をかけて対応するしかないということになるわけです。
私が予算委員会で質問した「おひとりさま」を巡る課題とここが酷似しています。
すなわち、目の前に看護・介護を求める単身者がいて、その方ご自身が自分の課題を解決できず、ケアマネージャーや施設の職員がシャドーワークと呼ばれる本来業務ではない部分を「ボランティア」としてずっと続けているという状況です。
マンションの問題の方も所有権の在り方が絡むので大変難しくなっています。管理組合はこの部屋に踏み込み、勝手に中の家具などの私物を処分する権利がないので、その権利を得るまでにすべての相続人に了解を得るなどの、大変な労力を必要とします。
しかし、たまたま同じマンションの住民であったという方たちが一番困るので、放っておけない人がそのコストを負担するという経緯はおかしいと言わざるを得ません。
制度の整備が求められます。

■ 元気なうちに準備しておくこと
また、私の知人の司法関係者から聞いた話にも考えさせられました。
病気や事故で意識不明に陥ったり、認知症などで判断能力がないと認定されると、すべての契約行為が出来なくなります。
例えば母親名義の自宅を売却して、その売却益で母親を施設に住まわせようとしても、その自宅を処分することはたとえ子どもであってもできません。
また、中小企業の代表取締役社長が事故で意識不明になった案件では、社長の意識が戻らないため、会社として新たな取引や金銭の引き出しができなくなり倒産したそうです。亡くなられていれば相続が発生するので、その過程で次の社長にバトンタッチもできたのでしょうが、ご存命だとそれもできません。
この展開には少なからず衝撃を受けました。自分自身に引き寄せて考えたこともありませんでした。自分自身が意識を失って長い間そのままだった場合どうなるのか、想像していない方が多いのではないでしょうか。
ですので、もちろん遺言書を用意するなり、家族信託を行うなどを奨励すると同時に、このあたりの法の在り方も実例に合わせて考えていくべきだと思います。
特に判断能力がなくなってしまう場合は、認知症の患者が増えることにより、様々な事例がこれからかなりの件数出てくることが想定されます。
元気で判断ができるときから、いざというときの準備をするのは正直なところハードルが高い面があると思われます。
困らないと気づかない・動かない人は多いと思われます。ましてや、家族信託にしても、専門家に相談したり、そこに費用も少なからず掛かってきますからなおさらでしょう。

■ 高齢者支援チームを創設
現在、自民党内の社会保障制度調査会(会長・加藤勝信 衆議院議員)のもとに、高齢者支援(仮称)PTなるチームを立ち上げる準備をしており、私もその座長として関わることになりました。
今回記してきたような課題も含めた幅広い課題に対して、結果を出していきたいと思います。

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さかい学プロフィール

坂井 学(さかい まなぶ)

衆議院議員(5期) 神奈川第5区
(横浜市戸塚区・泉区・瀬谷区)
前内閣官房副長官
自民党横浜市支部連合会会長

言いだしっぺです

こんにちは。「言いだしっぺ」のさかい学です。 初めて選挙に挑戦して以来、ずっと続けているのが朝の駅頭活動です。 ここで私は日々の政治課題に対する私の考え、思いをお伝えしています。と同時に、皆さんからのお話をうかがう場でもあります。意見集約型の政治を目指す私の、大切なフィールドです。

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