衆議院議員(5期) 神奈川第5区(横浜市戸塚区・泉区・瀬谷区)

ライドシェア議論始動 ~ 利用者、ドライバー、タクシー会社にとって良い制度づくりへ ~

■ 突然「ライドシェア」が浮上
今年の8月、菅義偉衆議院議員が地方の講演でライドシェア解禁に触れて以降、一気にその流れがでてきました。
菅議員のアドバイスにより、臨時国会冒頭での総理の所信表明演説に、このライドシェアが入ったことには正直驚きました。
通常、政府方針にある施策を採用してもらうためには、議員連盟(議連)などを作り、提言を出し、気運を醸成していくのですが、今回はすべてをすっ飛ばして、ライドシェアが政府の長である総理の推す施策となったわけです。
いきなり局面がライドシェアの是非ではなく、その中身、制度設計が議論の核心となりました。

■ ライドシェアが普及しなかった日本
ライドシェアというものが日本に紹介された当時は、「シェアリングエコノミー」の文脈で、その一例として扱われていました。つまり、個々人の空き時間や使われずに空いている部屋や物などを利用して、できるだけ効率よく経済活動を行う新しい取り組みとしてです。
アメリカなどでは、UberやLyftというようなアプリでタクシーと同様に利用できるサービスとして、個人が個人の車を使って仕事をしています。
日本のタクシーは、2種免許という、人を乗せて料金を受け取ることができる資格の車の免許を持っていなければ営業できません。タクシー車両もタクシー会社が責任を持って整備した車を使って安全を確保しています。
ところが、ライドシェアは通常の1種免許でいい上に、車を個人の責任で整備することになります。
2種免許を持っている人からしたら、2種免許というアドバンテージがなくなるわけですので、タクシー会社はライドシェアの仕組み導入には反対してきました。
ところが、今回、政府の方針として確定してしまったことにより、反対はしつつも、次の条件闘争の局面へと移らざるをえなくなったのではないか、と私は考えます。

■ アメリカでライドシェアが普及した理由
アメリカではタクシー運転手について、「英語を理解しない」「運転が荒い」「道を知らない」「車がボロボロ」などと言われており、Uber、Lyftの方が車や運転手の質が高いことが、ライドシェアがいち早く普及した一つの要因だと思います。
アメリカのライドシェアでは、運転手とお客の双方がアプリの中で評価されます。悪質ドライバーは、この口コミによって退場させる仕組みになっていると同時に、お客の方も迷惑をかけたり悪質な客はドライバーから拒否されます。
アメリカでは、どんな人が乗っているか分からないタクシーよりも、事前にある程度の情報がとれるライドシェアの方が、安心感があるのではないかと考えます。

■ 競合がトラブル対応を良くする
また、当初のライドシェアのアプリ提供者(Uber、Lyftなど)は、「ドライバーとお客の間の契約なので、トラブルが発生したら両者で解決してくれ。うちは知らない」というスタンスを基本にしていましたが、十数年経った今は変わってきています。
実際にアメリカでLyftの配車を頼んだ私の妻は、乗れなかったにもかかわらずクレジットカードから利用料金が引き落とされた際、ドライバーとやりとりするのではなく、Lyftという会社にクレームを入れて、全額が返金されています。
つまり、複数のアプリが競合するようになり、安全性やトラブル対応などのお客へのサービスで負けるとアプリを使ってもらえなくなるので、対応が進んできているのです。

■ 深刻な日本のドライバー不足
そういう環境の中で今回ライドシェア議論が沸き出ているのは、ドライバー不足が大きな要因です。数字上でもドライバーがいないため、比較すると以前より1割以上多くの車がタクシー営業所の車庫で眠っていることになっています。
都市部では時間、場所などにより、3~4グループが同じ街道でタクシー待ちしているのをよく見かけます。また、地方では元々タクシーサービスが採算が取れず、サービスそのものが撤退してしまい、いざという時に困っている地域が多々あります。
都市部と地方では、理屈は違いますがともにドライバー不足が深刻になりつつあり、国民の生活に影響が出始めています。その結果、白タクと言われる闇タクシーが横行しているとの報告もあります。ちゃんと、法の枠組みの中に抱え込むことが必要です。

■より良い制度づくりのために
今までタクシー業界は、安全面、トラブル対応などを理由にライドシェアに反対してきました。しかし、今触れてきたようにアプリ会社も対応に乗り出してきていますし、アメリカの数字を見るとアメリカのタクシーもライドシェアの車も事故率は余り変わらず低いようです。
このように、アメリカなどでの状況を比較検討してみて、日本でもライドシェアを導入する障壁を取り除く議論を進めていく必要があります。
そしてもちろん、ライドシェアの導入によってタクシー会社を締め出そうというのではありません。流しで街中でお客を拾えるのは依然タクシーだけですし、電話で配車をお願いするというお客は、アプリで車を呼ぶライドシェアのターゲットではありません。
その上、ドライバーの割り振りや労働管理などにおいて、間違いなくタクシー会社には一日の長があるので、このライドシェアも一つのビジネスチャンスと捉えて、国民が喜び満足するサービスを提供してもらえたらと願っています。
とりあえず早急に動かすという観点から、当初は大臣認可の78条3号での運用からスタートし、最終的にはしっかり道路交通法と関連法の改正までいきたいと考えています。

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さかい学プロフィール

坂井 学(さかい まなぶ)

衆議院議員(5期) 神奈川第5区
(横浜市戸塚区・泉区・瀬谷区)
前内閣官房副長官
自民党横浜市支部連合会会長

言いだしっぺです

こんにちは。「言いだしっぺ」のさかい学です。 初めて選挙に挑戦して以来、ずっと続けているのが朝の駅頭活動です。 ここで私は日々の政治課題に対する私の考え、思いをお伝えしています。と同時に、皆さんからのお話をうかがう場でもあります。意見集約型の政治を目指す私の、大切なフィールドです。

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