昨年、日韓関係が悪化した際、「議員外交」という言葉が注目されました。政府間で解決が困難になり、異なるアプローチの一つとして韓国の国会議員団が来日した時のことです。
■ 国会議員の役割
地方議員と国会議員の違いの一つとして、国会議員は国家間の外交や安全保障も担う役割があることが挙げられます。
衆議院にはこの議員外交を支援する予算があります。年間3つの議員連盟をその相手国に派遣し、その一方で3つの議連が相手国の議員を日本へ招待するための予算です。
今年度は日本・ガーナ友好議員連盟が派遣議連の一つに指名され、議連会長である私が団長となり2人の議員とともに1/12~17の日程でガーナを訪れました。
実は約2年前にガーナから議連のメンバーに訪日いただいた際、「次はガーナに来てほしい」と要請をいただいていました。
■ ガーナでの活動
今回のガーナ訪問では、ガーナ国会視察、第一副議長(議長が海外出張のため)表敬訪問、第一副議長を交えてガーナ・日本議連メンバーとの懇親会、大統領や大統領経験者との会談、野口英世研究所視察、日本企業関係施設視察、日本企業関係者との懇談、そして海外青年協力隊員との昼食会などの日程が組み込まれました。
そしてこの行程の中で多くの気づき、学び、そして何より成果がありました。
■ 出始めた「成果」
一つはガーナ政府と日本企業の間の課題に対して貢献できたのではないか、ということです。
今現在、様々な交渉が行われているため詳細については控えますが、「動き始めた」感があります。
そう感じたのも、ある企業からは日本の担当者がお礼と報告を兼ねて訪問いただいたからです。
また別の企業の課題に関しても、在京ガーナ大使と食事を共にし、改めて援助をお願いしました。この時も、大使から他の国の取り組みや現地での受け取られ方などのお話を伺った上で提案までしてもらうなど、初めて聞く話もあり参考になりました。
今後もこれらの件がどのように動き、約束が履行されていくか、注視していきたいと思います。
このように案件によっては議員という立場、つまり国という完全な公の立場ではない半面、政府に対しての橋渡し役などの一定の影響力を持っているという特殊性が、課題解決やプロジェクトの進展に貢献できるものと実感できました。
■ ガーナ議会への働きかけ
もう一つの成果はJETROのガーナ事務所開設に対しても要請できたことです。
昨年、JETROは2020年にガーナの首都アクラに事務所を開設することをガーナ政府と約束しました。しかしこれを実現するには、ガーナ議会の承認が必要です。
元来、私たち国会議員のカウンターパートは議員・議会ですから、1月28日から始まったガーナ国会の冒頭で処理していただくよう、第一副議長との会談でも依頼をし、与党の筆頭議員も同席の中で了解してもらうことができました。
■ 次なる「成果」のために
そして、具体的な成果ではありませんが、日本という国や企業に親近感を覚えてもらえたのではないかということが、可能性を生み出すと考えています。
知らない国より、たとえわずかでも知っている国と仕事をしたいと思うのは人情だろうと思います。
日本・ガーナ友好議員連盟を立ち上げて3年半以上経ちましたが、毎年先方の議連会長とは会う機会をいただいていますし、毎年何人もの大臣が来日しており、時間が合えばお会いしています。現在の大統領とも私は今回で6回目。そのうち3回は会食もしており、お互いの顔はわかる関係となってきています。
昨年のTICAD?(第7回アフリカ開発会議)でも総勢50人を超える団を組んで来てもらっており、ガーナが力を入れてくれているのも実感できます。
東北をはじめとする復興支援でも、「顔が見える関係」を大事にして取り組んできた結果、今でもやり取りが続いています。
ガーナとの関係もこのように「顔が見える関係」が、より密接にそして継続する大きな要因の一つだと思っています。
今後もお互いの信頼関係を深めていき、両国の関係進化のお手伝いをするとともに、この議連に関係してくれている方々によかったと思ってもらえるよう、努力をしていきたいと思います。
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