衆議院議員(5期) 神奈川第5区(横浜市戸塚区・泉区・瀬谷区)

「新型コロナ感染症対策の基本方針」~ 人命と日本経済を守るために ~

今年の正月には予想していなかった事態を迎えています。新型コロナウィルスです。
この間、感染症に対する私たちの意識も大きく変わったものと思います。

■ 新型コロナウィルスの特徴
新型コロナウィルスに関しては、
○飛沫(ひまつ)感染・接触感染であり、空気感染はしない 
○感染力は強い場合もあれば弱い場合もあり様々
○発熱、呼吸器症状が1週間前後続き、強い倦怠感がある 
○罹患しても軽症の例が多い 
○抗ウイルス薬はまだないが他のウイルスの治療薬が効く可能性もある
との特徴などが、政府の発表した「新型コロナ感染症対策の基本方針」に書かれています。

■ 変わり始めた社会的コンセンサス
実はここ数年、いくつかの点に関しては私たちの意識や考え方、社会的コンセンサスが少しずつ変わってきたと思うものがあります。
例えば、その一つが自然災害時、特に大雨や強風が予想される場合の公共交通機関の計画運休ではないでしょうか。
そしてインフルエンザに罹患した時の受取り方も同様だと思います。「インフルエンザなら休むのも仕方ない」という合意が形成されてきたと思います。
今回は、このインフルエンザに対する感覚をもう一歩進めて、自分を感染から防ぎ、感染した場合は人にうつすことを避けるために、大人数が参加する機会そのものを中止にしても仕方ない、風邪気味の場合は仕事を休むべきだ、というところまで来たと思います。
しかもその対象は立食パーティーや宴会だけでなく、スポーツの試合やコンサートなどまで拡がり、そして2月27日には総理が学校の休業まで国民に要請しました。

■ 基本方針の目的
今回の基本方針ですが、患者の増加のスピードを可能な限り抑制し、流行の規模を抑え、同時に重症者の発生を最小限に食い止めることにより、社会・経済へのインパクトを最小限にとどめることを目的に作成されています。
特に患者の増加のスピードを抑制するということは、その時の患者全体の数を減らすということになり、医療資源は限られているので、少しでも質が高い医療を提供し続けられることにつながります。
そのことが重症化を防ぐわけです。また、完全には防げずとも少しでもピークを低くまた遅くすることにより、病床数の確保や治療方法の発見など医療体制の強化を行うことができます。
今回、特に負担が大きかったのは、3700人もが乗船しているクルーズ船を横浜に入港させたことだと思います。いきなり3700人という大人数を対象に、検疫なり医療活動なりを行うということがどれだけ大変なことか、やはり、想定するだけでは追いつかなかった厳しさがあったと思います。
当然3700人を下船させ、隔離し、検査や経過観察が行える場所を確保できればよかったわけですが、不可能という状況で、それでも検疫はせねばならないわけでご苦労されたと思います。
またチャーター機による在留邦人の帰国も、第五便まで飛ばし、800人を超える人が日本に戻ってきましたが、これも想定されていたこととは言え、多くの人員がとられ大変だったと思われます。
自然災害時と同様、このような内容や規模の危機にも遅滞なく、不足なく対応していくためにきっちり検証し、政府が対応していくことは大切だと思います。

■ 基本方針の目的
政府に対しては、後手後手に回っているという批判もあります。当初、対応を検討をした際に今回のコロナウィルスに対する確かな情報が少ないなかで正確な判断をすることは難しかったろうと思います。
感染力、毒性、潜伏期間などを始め、仮定を置き決断をし手探りで動いていくしかなかったわけですから、仮定と異なる現実を把握した際にはいかに素早く実態に合わせて対処していくかも大事だと思います。
特に感染し人にうつす能力があるにも関わらず無自覚無症状の人もいるという事実、しかも当初クルーズ船乗客の検査では2割強もいるという報告は、感染防御が難しいことを悟るには充分だったと思います。
今までの水際対策はせき・発熱などの症状がある場合を想定していたわけです。当初からわかっていれば当然対応も違っていたはずです。

■ 人命と経済のバランス
今回の基本方針で、思い切って転換したのは、対策の重点を「水際から国内」に移したことです。また、患者が増え軽度~重症の方まですべての患者に対応するには、人や施設が足りないことを認識し、軽い症状の方には自宅での安静、療養を基本とすることにも触れています。
これも「軽症で回復する人は本当にすぐ回復する」という症例がいくつも報告されてきたことによりできた判断です。一方で、対策を十分に施した上で外来での対応は一般の医療機関でも行ってもらうようにすることも示されています。
最後に、この基本方針の目的の中に「経済へのインパクトを最小限」という表現があります。基本方針の策定時、株価の大幅下落が続いていますが、この経済への悪影響も最小限に抑えていくことが大事です。
感染のピークや治療薬の開発などの状況も見ながら、人命、健康第一ではありますが、同時に日本経済の下支えの対策も必要です。両者の間でバランスをとりながらそれぞれに目配りをしていくことも大事だと思います。
2月29日に安倍総理が会見で、今回の新型コロナウィルスによる学校休業などの対策で影響を受ける企業、家庭、個人などを支援する新しい助成金制度を創設することや、必要かつ十分な経済財政対策を講じることを発表しました。
また新型インフルエンザ等対策特別措置法を参考にした新たな立法措置にも触れました。
日々、状況は変化するので遅れることなく対応していきます。最新の状況は以下のサイトで確認をしていただければと思います。
手洗いうがいの励行に、規則正しい生活を行って、この難局をお互い乗り越えていきましょう。

<以下のHPのサイトからご確認いただけます>
厚生労働省:「新型コロナウイルス感染症について
首相官邸:「新型コロナウイルスへの備え

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さかい学プロフィール

坂井 学(さかい まなぶ)

衆議院議員(5期) 神奈川第5区
(横浜市戸塚区・泉区・瀬谷区)
前内閣官房副長官
自民党横浜市支部連合会会長

言いだしっぺです

こんにちは。「言いだしっぺ」のさかい学です。 初めて選挙に挑戦して以来、ずっと続けているのが朝の駅頭活動です。 ここで私は日々の政治課題に対する私の考え、思いをお伝えしています。と同時に、皆さんからのお話をうかがう場でもあります。意見集約型の政治を目指す私の、大切なフィールドです。

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