1/25に自民党は政治刷新本部による「政治改革の中間とりまとめ」を決定しました。
「派閥パーティーの政治資金収支報告書不記載問題」に対する国民からの痛烈な批判を受けての対応です。これを機に岸田総裁が立ち上げた「政治刷新本部」で第一回目の議員全員対象の会合が1月16日に開催されました。
その後2回の会合を経て、中間とりまとめが決定されたのが同月25日。私は、その会合で「まだ充分な議論がなされていない。拙速な取りまとめは避けるべきだ」と意見を申し上げましたが「中間であって、これが最後のとりまとめではない。今後、詰めた議論はしていく」ということで決定されました。
■ 「政治改革」の2つのポイント
私自身は今回の議論は大きく2つのポイントに分けられると思っています。
一つは制度について。不備だと思われるものを含めて、抜け穴と指摘されることのないルールを作る作業です。例えば、購入者開示ルールや連座制適用などのルールの検討です。
まずは今までの事例などから、徹底して良い制度のための議論をし尽くすことが必要だと思います。そのため、今回提示された、いくつかの案を様々な点から検討して最終とりまとめでは具体的なものにしていくことが必要だと思っています。
もう一つは派閥のあり方についてです。今回の不記載問題に関しての報道の中では、議員側から収支報告書に載せたいと派閥に相談した際、載せる必要はないと言われて不記載状態になっているという話がありました。
つまり、問題はこの「派閥と各議員との力関係」にあるのではないかと私は考えています。国民が派閥に対して否定的なのは、こうしたところにあるのではないでしょうか。
■ 「金」と「人事」を切り離す
刷新本部の議論の中では、「派閥が悪いのではなく、ルールを守らなかった人が悪い」との意見も聞かれました。それに対し私は、国民からの信頼を取り戻すスタートとして、この「派閥的なもの」を解散すべきと主張しました。
結果として完全に派閥解消とは書き切れなかったものの、「金」と「人事」を派閥から切り離し、その上で真の政策集団としての派閥であれば認めるということになりました。
■ 派閥の仕組み
派閥とは、総裁選において一致団結して行動し権力を掌握することを目的とする総裁選のための議員集団だと、私は理解しています。そのため、所属議員は総裁選の時の一票の権利を派閥に譲り渡す代わりに、日常の政治活動を派閥から支援してもらえる仕組みになっています。その支援の中で最も影響力があるのが「金」と「人事」で、この2つの力を中心に所属議員をまとめてきたわけです。
ですから、この2つの力を派閥から切り離すということは、今までの派閥とは異なる集団に変容していくと思われます。それならば思い切って、「現在の派閥はすべて解散する」と宣言したほうが良いのではないかとも議論の場で私は提案をしました。
■ 「派閥ありき」ではない党の仕組み
私は今回の報道の中で「派閥がなければ日常の政治活動は難しい」という意見を何度か見聞きしましたが、一度たりとも派閥に属したことがない私自身が、「難しいことだが、できないことではない」という一つのモデルではないかとも自負しています。
確かに現在、党内は派閥があることを前提に様々な仕組みができています。国会対策情報なども、派閥を通じて流す仕組みになっているので、無派閥議員には入ってきません。
また、昨秋の内閣改造の際の党内人事においても、無派閥議員には役職希望を提出する場もなく、何も聞かれないまま決まっていきました。
今後は無派閥議員が増えていきますし、派閥の人事推薦は禁止になるわけですから、派閥を通じてではなく、党としての仕組みを作らなくてはなりません。
■ 派閥の問題はどこにあるか
私は10年ほど前から『ガネーシャの会』という若手・中堅の無派閥議員の集まりの会長をしています。当初から「派閥ではない形の議員のグループ」を模索したいと、私は考えてきました。
政治も人間社会の縮図で、同じ目的をもって政策を立案し、実行しようとする仲間がいた方が内容は切磋琢磨されますし、日本の議院内閣制では仲間が一定数いないと、政策を推し進めることが難しいのが現状です。
ですから、議員が集まりグループを作るということは決して無くならないし、それ自体が悪だとは思いません。問題なのは、派閥的な拘束力・強制力によって総裁選での投票行動が従属的になってしまうような「派閥と議員の関係」にあるのです。
■ 「政策集団」の先行事例
ガネーシャの会のメンバーから、派閥化すべきという意見が出たこともあります。しかし、私は政治団体登録をしない、つまりグループでパーティーはしない、事務所も置かず、専従の職員もおかず、総裁選の投票行動を強制しない、メンバーに主体的に関わってもらうということを意識して運営をしてきました。
つまり、派閥ではない新しいグループの提案となるものの具体的な在り方がここにあります。
そして、ガネーシャの会の在り方が、今、自民党の派閥が生まれ変わろうとしている「政策集団」の先行事例となるのではないかと感じています。
同時に、今回、安倍派、岸田派などの解散で、無派閥議員は200人を超える見込みがあり、党内環境は大きく変容すると思われます。
ガネーシャの会もこの変化に鑑み、どういう集まりのあり方が最も良いのか、しっかり仲間で議論してより良い方向へのチャレンジを、果敢に行っていきたいと、現時点では考えています。
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