坂井学先生の地元、横浜市戸塚区にある善了寺の住職、成田智信です。
私は能登半島地震の発災後、石川県輪島市町野町へ入り、現地で支援活動を続ける「町野復興応援隊」の冨成寿明さんの元で、炊き出しボランティアとして活動させていただきました。
過酷な環境下、ご自身も被災されながら「目の前の命を食で支える」と奮闘する冨成さん。その背中から発せられる「できることはなんでもするんだ」という鬼気迫る熱い思いと、プロの料理人として現場を見つめる確かな見識に、私は心を激しく揺さぶられました。「この現場の叫びと知恵を、国の中枢に届けなければならない」。そう強く願った時、脳裏に浮かんだのが、私たちの地元選出であり、当時、防災担当大臣として頻繁に被災地入りされていた坂井先生の姿でした。
一市民が大臣に直接連絡をするなど、普段であれば躊躇われることです。しかし、現場の窮状を前に、私は意を決して坂井先生にご連絡を差し上げました。「どうか、被災地で冨成さんに会って、直接話を聞いてください」
先生は、私の一市民としての唐突な願いを、驚くほど真摯に受け止めてくださいました。多忙な公務の合間を縫って実際に現場へ足を運び、冨成さんと膝を突き合わせ、その言葉一つひとつに耳を傾けてくださったのです。 そして、その結果は「政策」という形ではっきりと示されました。
災害救助法の運用が見直され、調理人の人件費支援や温かい食事の提供体制(TKB)の強化など、冨成さんの提言が国のルールとして結実したのです。
現場のプロの思いと、それを繋いだ一市民の声、そして即座に行動に移した政治家の決断。この三者が噛み合い、国の仕組みが変わる瞬間を目の当たりにできたことは、私にとって本当に有り難く、希望を感じる出来事でした。
現場主義を貫き、小さな声も決して聞き漏らさない坂井先生の実行力に、心からの敬意と感謝を申し上げます。
善了寺 住職 成田 智信(横浜市戸塚区)








