先月31日は来年度予算の各省の概算要求の提出期限でした。我々与党の議員は、その直前に党内で部会を開き、概算要求の中身に関してチェックをし、議論をして、承認するという与党内手続きを各省庁ごとに行いました。日本の憲法で、議院内閣制と定められており、内閣は行政権の行使について国会に対し連帯して責任を負うことになっているためです。
■ 概算要求の高市ルール
毎年概算要求を組むにあたり、財務省から概算要求基準というルールが明示されます。今年この基準が今までとは考え方を大きく変えたルールに変更され、注目を集めました。
これは高市政権においてのチャレンジングな新しい取り組みです。
一つは上限枠を示さない投資枠を設定したことです。今までは一定の金額内に抑えるために省内で調整して要求していましたが、今回は経済成長や危機管理に資するものに対しては、上限なしに要求できるルールとなっています。
そしてもう一つは、補正予算は組まないという前提での予算となることです。近年、経済対策のための補正予算を組むことが常態化しています。事業の中には最初から当初予算と補正予算とで分けて計画的に予算計上をしているものもあります。
今回この補正予算が組まれないということは、当初予算で補正予算の分も積んで要求しなければいけないということです。この2点により、今回の概算要求総額は29年ぶりの高さとなったと言われています。
そして、党の部会の現場でも、議員側から農水省に対し「投資枠をもっと積むべき」と言われて、概算要求案を突き返され、もう一度組み直しをさせられるという、今までなかった状況も発生しました。
今まである程度各役所内で調整していた作業を、今回は財務当局がある意味一手に引き受けて行うわけですが、どう展開していくのか、こちらも注目せざるを得ません。
■ 予算とセットの「税制改正要望」
そして報道されないため、あまり知られていませんが、この8/31は予算要求と一緒に税制改正要望も出すタイミングです。税制改正要望は各役所からあがる所管の業界などの減税要望です。予算は歳出と歳入のバランスを取らなければいけません。概算要求で予算として使う側を提出してもらいますが、入りの側でも減税措置をするのであれば、その分当然入りが減りますので、「入りと出」とを一緒に要求させるものです。
■ ふるさと納税の新しい役割
その要望の中で、今回、私にとって注目する要望がありました。それは総務省からのもので、新しく動き出す「ふるさと住民登録制度」が「ふるさと納税制度」と連携するものでした。大きな枠組みで見ると、ともに地域の関係人口を増やすための施策と言えるものです。
実は「ふるさと住民登録制度」は、石破内閣時、「新しい地方経済・生活環境創生本部」の事務方に私が推薦したという経緯があります。当時、私の担当ではありませんでしたが、地域づくりは私のライフワークでもありますので、常に関心を持っています。
災害避難者等を含め、二地域居住者が増えているなかで、二ケ所目の地域で行政サービスが充分受けられないという現状から、「住民票を分割できないか?」というやり取りを総務省としていました。投票権や地方税の論点などで難しい、という対応でしたが、「本物の住民票でなくとも実(じつ)を伴わせるというやり方はできるのでは」という話に展開し、今回の「ふるさと住民登録制度」の基本的考え方に落ち着いたのでした。
担当課において「ベーシック登録」や「プレミアム登録」などの工夫を加え、拡充してもらった上で、さらに私が希望していたふるさと納税との連携も、まずは税制の面で対応してもらっています。ふるさと納税の圧倒的な知名度を、新しく機能させていく制度の認知度アップに活用してほしいと今後のさらなる展開にも期待しているところです。
この「ふるさと住民登録制度」を提案したときに、もう一つ福岡にある「FDC」という、地方自治体の役割の一部を担う活動をしている団体を念頭に、「広域リージョン連携」も提案させていただきました。共に柱の1つとして取り入れていただき、政策が進んでいます。
こうした取り組みが全国に広がれば、日本はもっと強く豊かになるはずです。
■ 役職にとらわれず、働く。
役所の方々の協力と尽力で、自分が直接の担当でなく、またその仕事に関するお役目をいただいてなくとも、形にしていくことができるんだと実感しているので、今後も分野を限定することなく活動を展開していきます。
先ほど触れたように、これは「関係人口」というキーワードと密接な政策です。「関係人口」は地方・地域を考える際に大切な概念ですので、また別な機会にご紹介したいと考えています。
関連記事はこちらにも→地方創生が国づくりのカギ ~ 中小自治体をどうサポートするか ~

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