■ これまでの動き
令和5年5月に私が予算委員会で国会でおそらく初めて、いざというときに頼れる身寄りがない独居者にかかわる課題、俗に「おひとりさま問題」を岸田総理(当時)に質問して以来、この課題に取り組んで来ました。
自民党内の社会保障制度調査会の下にある「幸齢社会PT」の座長としてこの課題を党の中で検討し、また政府の支援を求める活動を入閣直前までしてきました。
以前、小紙でも触れたように、この課題の影響は、住居、医療、介護、日常生活支援、金融、葬儀、相続など、諸々の分野に広がっています。それぞれの分野での対応と同時に、全体をも見渡し、全体を統括しながら大方針を示していく作業も必要となります。
2年前まではこれらの課題を担当する課も省庁もなかったのですが、私の質問に対する岸田総理の答弁をきっかけに、現状把握と窓口を厚生労働省が担当することになりました。当然、各役所との連携が必要なときには内閣官房副長官補室が動くことになります。
政府にこういった窓口ができたことにより、かなり動きが出てきました。新たな事業が企画され、予算が付き、今年度からいくつかの自治体で取り組みがなされています。
■ 全国団体の準備委員会が発足
そういった動きの一つとして、2/1に高齢者等終身サポート事業者の全国団体の準備委員会が立ち上がりました。以前は身元保証事業者と言われていた業界です。
「おひとりさま」課題を解決する中でも重要なファクターの一つです。彼らが本当に信用でき、想定通りに機能を発揮してもらえたら、必要な方々にとってはかなり大きく局面が好転すると思われます。
■ 安心して紹介できない現状
これまで、監視・管理する役所もないなかで、現場にニーズがあるため自然発生的にそれぞれのやり方でサービスを提供する事業者が出てきています。しかし、事業者の中には、不適切なサービスしか提供できないところや、ある意味、詐欺的なところ、そして経営が不安定なところなど、実際にトラブルが発生しています。
内容によっては、契約にかなり高額な費用がかかります。終身でサポートしてもらうつもりで契約し、そのサービスを購入したにもかかわらず、倒産してしまったり、事前の説明と違うサービスしか提供されないという事例もありますし、HPなどで大々的に宣伝してきた事業者とまったく連絡が取れなくなったという話もあります。
そうした状況では、相談を受ける行政なども安易に事業者を紹介できません。政府もこの業界の信用を上げていく取り組みの一環として、昨年6月に、各事業者が守るべきガイドラインを策定しました。かなりの数の事業者がこのガイドラインを守っていると思われますが、一方で、そうではない事業者が存在するのも事実です。
この問題に取り組み始めてから「あったらいいな」とずっと思ってきたのが、安心して他人に紹介できる事業者の一覧でした。現状で言うなら「ガイドラインに沿ってサービスを提供している事業者」の一覧です。
■ 信頼できる全国団体になるために
今回設立された全国団体の準備委員会に期待したいのは、信頼できる会社だけが会員となる団体の設立です。つまり、会員として登録する際に、団体が基本事項をチェックし、ガイドラインを守っている企業だけを入れることにより、行政の担当者が住民に紹介できる企業の集まりという団体です。
今回の準備委員会では、私と共にこの課題に取り組んでこられた方が委員長であり、政府とこれらの課題を進めてきた方々がメンバーやアドバイザーとなっています。
第一回目の会合には、厚労省の担当者もスピーカーとして参加することになっており、ある意味、国のお墨付きということだと認識をしていますが、是非、多くの事業者を束ねることのできる団体として存在してもらいたいと思います。
現在、時代の変化もものすごく激しくなっていますので、業界として政府へ要望することも多々でてくるものと思います。こういうときも、各メンバーからの要望を取りまとめ、政府とも打ち合わせをして、国民にとって最善のガイドラインに改善し続けるという役割を果たしていただければと期待しています。業界の一部の事業者のためではなく、国民にとって望まれる環境をつくっていただける団体として存在していただきたいです。
私としても、現在の担務(警察、防災等)とは直接関係ないとはいえ、できる支援は精一杯していきたいと考えています。
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