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小さくて大きな「ハンコ改革」~ デジタルガバメント普及のための改革 ~

2020年09月01日

6月中旬に通常国会は閉会しましたが、私たち与党の議員は来年の政策に向けて方向性を示すことになる「骨太の方針」「成長戦略」「規制改革」「地方創生」の4つの計画を取りまとめるため、党本部で様々な会議を行ってきました。

■ なぜハンコの廃止に着手できなかったか
そして例年よりも1か月遅いタイミングで発表されたこれらの計画の「規制改革」の中に、今回「押印改革」が盛り込まれました。ハンコを廃止しようという動きです。
今までも長らく話題に上り、党内の行政改革推進本部などでも取り上げてきましたが、業界の反対を受けて発言する議員がいたり、行政手続きが11000以上に上り、その改革とそれに伴う膨大な仕事量を担う役所が消極的だったこともあってなかなか動きませんでした。
特にこのように影響する分野が幅広く、そのために明らかな所管が決まっていないような案件は後回しにされることが多いわけですが、今回は内閣府の規制改革担当部署が踏ん張ってくれ、調整を進めて、閣議決定を行う上記4つの計画の中の「骨太の方針」と「規制改革」に盛り込むことができました。

■ デジタルガバメントを妨げる「三主義」
今回の推進力の背景として最も大きいのは、やはりコロナ禍でした。
コロナウイルス感染症の拡大防止のためテレワークが推進されましたが、それを妨げているのが行政手続等における「書面主義」「押印主義」「対面主義」であることが浮き彫りになりました。
デジタルガバメントの実現には、先の三主義と決別することが必須です。
4~5月の緊急事態宣言発令中、テレビの報道番組などでも、印鑑を押すためだけに出社してハンコを押してまた帰宅する人にフォーカスし、その非効率さを取り上げていました。
今回、規制改革推進会議は各府省に対し、緊急対応として行政手続等を行う個人・法人がテレワークやリモートワークによってオフィスに行くことなく行政手続等を完結できるよう、必要な対応を求めました。

■ 「三主義」と決別するために
まず、経団連や経済同友会などの経済4団体から具体的な要望事項を出してもらい、それらに応える緊急対応の検討実施を各府省に要請しました。その中には、法令の規定等により緊急対応を実施することが困難と判断する事項もありましたが、それらも含めて見直しを検討し、制度的対応を求めました。
書面主義に関しては、不慣れな人なども含めて誰でもオンラインで手続きできるよう、システム整備をするとともに、そのことを広くお知らせし、その利用を慫慂します。
押印主義に関しては、その書面への押印を法律が求めているか否かで大きく対応を分けます。
法律では求めていない、つまり通達やガイドライン等で押印を要求しているものに関しては、押印を求めないように要求しました。また、こういう通達やガイドラインは速やかに改正を行うものとしました。
省令・告示に規定する様式に押印欄がある書面については、押印がなくとも書面を受け付けることにしました。
法令の条文で押印を求めることが規定されている書面に関しては、押印が求められている趣旨に合理的理由があるか、また押印を他の手段で代替することはできないかを検討します。
その際、求めている押印の種類(実印か、認印か)や、行政手続等の内容・目的・趣旨等を踏まえ、押印を求める必要性や代替手段によって押印を求める趣旨が満たされると考えられる場合には、申請等を拒否する法的義務が行政機関にあるわけではないとの考えのもと、可能な限り押印がなくとも書面を受け付けることにしました。
そして押印がないので受け付けないという場合には、各府省がその理由を明らかにしなくてはならないという立て付けになっています。
そしてその代替手段の具体的な方法として、
・継続的な関係がある者、もしくは本人であることが確認されたメールアドレスからの提出
・ID/パスワード方式による認証
・マイナンバーカードや運転免許証等、本人確認書類のコピーやPDFでの添付
・電話やウェブ会議等による本人確認
・押印のなされた文書のPDFでの添付
などを例示しています。
対面主義の見直しに関しては、オンラインでの対応を行うことを求めています。

■ 「押印改革」が意味するもの
今回はかなり踏み込んで対応を求めていますし、デジタルガバメントの普及を考慮に入れれば、今回のコロナ禍の緊急対応のみに終わらせず、今後の行政手続きや民間同士の契約等に関しても押印省略を標準としていかねばならないと思います。
この押印改革は日本で社会活動を行う皆が同じ認識を持たないと成立しません。民間の一社が言いだしっぺで進めることができるという内容のものではないのです。
今回、政府が腹をくくり、本腰を入れて取り組んだのは、日本社会にとって良かったと思っています。時代の変化に乗り遅れず、できるだけ速やかに対応していくことが大事であり、その一例がこの「押印改革」ではないでしょうか。
なお、今年の6月19日付で「押印についてのQ&A」が内閣府、法務省、経済産業省の連名で出されており、HPで見ることができます。民事訴訟法上の整理など法的にも詳しく解説していますので、関心のある方は是非ご覧ください。

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