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税制による日本のインフラ整備の推進 ~ 経済と生活を支える5G投資促進税制 ~

2019年12月01日

■ 税制における与党の役割
与党の国会議員にとって、11月、12月は税制議論と予算編成の季節です。
国会における本会議や委員会における審議はもちろんですが、それに加えて、税・予算は党で議論されます。
予算の編成に関しては、財務省の主計局を中心とした政府で行いますが、その予算案を最終的に国会で成立させていくのは国会議員ですので、編成時から与党とは緊密にやり取りをして進めていきます。
私たち国会議員にとっても、それぞれの地元から上がってきた陳情や聞いてきた情報などを主計局に伝え、現場の声を予算に反映させていく作業となります。
税に関しては、与党で税制を決めるということになっているので、党の税制調査会で来年度の税制改正大綱を決めていきます。私は今年も税制調査会の幹事として参加しています。

■ 本格利用が始まる5G
この税調において議論されている項目の一つに、「5G投資促進税制」があります。5Gのインフラ整備を推進するために税制優遇措置を新規に創設しようというもので、総務省と経産省が取り組んでいます。
「5G」とは第5世代の移動通信システム(携帯電話などが使っているシステム)のことを言います。
昭和55年(1980年)頃に第一世代が登場し、その後約10年毎に世代が変わり、今、我々が使っているのは第4世代のシステムです。
この30年間で最大通信速度は約10万倍となり、進化の著しい分野でもあります。この5Gのシステムですが、すでに米、中、韓国などでは一部サービスが今年から提供され始めています。
日本では今年4月に周波数の割り当てが行われ、来年から本格的な利用がスタートします。
この5Gには3つの大きな特徴があると言われ、実際の活用を大きく期待されています。

■ 5Gの3つの特徴
一つは超高速・大容量であること。今のシステムより100倍速いブロードバンドサービスが提供できます。例えば現在スマートフォンに2時間の長さの映画をダウンロードすると約5分かかりますが、5Gは3秒で完了します。
二つ目は、超低遅延です。今のシステムに比べ遅延(タイムラグ)をはほとんど感じなくなります。そのため、ロボット等の精緻な操作(LTEの10倍の精度)が可能になります。医療において遠隔手術などの可能性が期待されます。また、無人での車の隊列走行なども、一番前の車がブレーキをかけた時にタイムラグなく2台目、3台目の車のブレーキをかけることができるので、5Gを使っての実験も行われています。
三つ目は多数同時接続です。現在では同時接続する際、スマホ、PCをはじめ、数が制限されますが、5Gによって部屋の中の約100個の端末やセンサーをネットに接続することができます。多数の観客を対象にしたイベントなどで特別の映像サービスを提供できるので、この分野でも期待されています。

■ 5Gのポテンシャル
この5G技術によって各地域における地域課題も解決しようと考えています。
ローカル5Gという、携帯事業者ではなく、地域の企業や自治体等の様々な主体がその建物や敷地内で個別のニーズに合わせてスポット的に柔軟に構築できる5Gシステムがあります。
用途に応じて必要となる性能を柔軟に設定することができ、ほかの場所での通信障害や災害などの影響を受けにくく、何より、携帯事業者によるエリア展開が遅れている地域において、5Gシステムを先行して構築し、使うことができます。工場内、建設現場、特に防災現場や田畑における活用などが想定されています。
このように私たちの生活や産業に幅広く活用されると想定される5Gなので、自民党の経済成長戦略本部の提言でも最初の項目に置かれています。
余談ですが、経済成長戦略本部では大きく5つの項目が挙げられました。5Gをはじめ、ICT教育、キャッシュレス、マイナポイントなど、ICTが絡む、つまり総務省とかかわりのある施策が4つ入っています。その意味でも、私が筆頭理事を務める総務委員会の責任の重さを改めて感じます。
話を5Gの利活用に戻しますが、総務省や経産省といった各省レベルの施策というよりは、日本全体が推進していく全省庁横断的な取り組みというわけです。5Gシステム整備は日本にとって大切な基幹インフラであり、だからこそ、このインフラ整備を推し進めるために、投資減税を新たに創ろうということなのです。
減税という形で優遇すれば、減税された分野の施策が進むことは間違いありません。だとすれば、減税対象にする分野はどこまで効果が大きいか、重要かという点を十分に検討して決めていかなければいけません。

■ 税制議論の流れ
これらの方針のもとに、まずは担当する役所が、税を担当する部署、国税ならば財務省主税局、地方税ならば総務省地方税務局と打ち合わせをし、全体のバランスなども考慮した上で方針を決めて、党の税制調査会に報告されることになります。
そこでその方針を議員間で議論をして最終的にはそれらの議論を踏まえて税調会長を含めてインナーと呼ばれる役員で決定をしていきます。そして12月の半ば頃に来年度の税制大綱としてまとめられることになります。
企業の内部留保が大きく問題視され、その対策としてペナルティという形で課税をするのか、インセンティヴとして減税するのかといった方針などの議論もなされます。
政治が国の仕組みを決めるという意味では、最も象徴的な、そしてわかりやすい作業が税調かもしれません。
改めてその責務の重さを感じるとともに、もっともっと税について勉強していかねばならないと考えています。

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