まずは明日を守る ~ 入管法改正の必要性 ~

2018年12月01日

外国人労働者受け入れの新しいルールを決める入管難民法改正案が、今開会中の臨時国会で審議されています。安倍総理がG20などの外交日程で日本を留守にするので、与党はかなり日程的にきついやりくりを強いられています。
法案と同様、この日程も一部の野党からは強く批判をされています。

■ 深刻な人手不足への対応
今回の法案は、絶対的な人手不足の現状を前に、働くことを目的とする外国人労働者を正面から受け入れていく、大きな政策変更の法案です。
しかし、移民を認めるということではありません
決められたルールに則り入国して働いてもらい、最終的には母国に戻るという中身です。しかも一定の技能を身につけた人材に限り入国を認めるといった趣旨であり、韓国のような単純労働者を入れているものとは違っています。
今の人手不足の現状は深刻です。高齢者の施設でも2割の機能が動いていないとか自治体が建築工事を発注しても入札者がいないなどの事象があちらこちらで出ています。
仕事の注文があるのに、利益も出しているのに、人手不足のために倒産をする企業も増加しています。このままでは日本の経済までも揺るがすことになりかねません。
そしてすでに中小企業では人材確保のために東南アジア各国をはじめとして社員を派遣して努力しています。
そういう社会の動きと変化に、政治は遅れ過ぎることなく対応していかねばならないと私は考えています。

■ 徹底した党内議論
この法律を国会に提出するか否かで、自民党内でも10月の終わりに連日法務部会を開催して議論しました。
反対の立場の議員も少なからずいて、反対の論陣を張りました。野党から批判されている論点のいくつかもその中にはありました。
その議論を聞く中で私自身も反対論の中にも一理あると思う部分があったのは事実です。同時に連日の議論の中でそれらの指摘に対し、対応策が示されたり、詳しく制度を説明したりして良い中身になっていったとも思っています。

■ 不安の声に向き合う(党内議論より)
①移民制度につながらないか
今回の法案には特定技能2号という分類があり、その規準はそれぞれを所管する各省に任せることとなっており、不安だとの声も多数ありました。
なぜならそこにランクされた外国人は、更新の許可を受けられる限り日本の滞在期限年数の上限がなくなることになっているからです。
しかし、法案の趣旨では、かなり高度な技能を持っている人材を想定しているので、人数が多くなることは想定していません。実際、2号を必要としている業界は多くなく、例えば介護などは2号を求めないとしています。

②外国人労働者の待遇面が心配だ
現在の実習生制度の中でもひどい状態におかれている実習生がいるのは確かです。
だからこそ、今回は「出入国在留管理庁」を設置して新たな制度を創設して対応することになりました。
特に、先方の国の送り出し機関と日本の受け入れ機関の中には、ブラックなものもあるとのことなので、今後はきちっと届け出をさせるなどして適切な組織でこの分野を担っていくことになっています。

③日本人の雇用に悪影響を及ぼすのではないか
需要と供給の関係で労働市場の値(つまりは給料)が決まるのならば、外国から労働者が入ることによって本来上がるはずだった給料が上がらなくなってしまう、また、景気の悪化など状況が変われば日本人が職を外国人にとられてしまうというものです。
シナリオとしては否定できませんが、今は、法律を変えても日本社会で必要としているだけの労働者が来てくれるかどうかは心配だと言われています。
彼らにとって、韓国、台湾をはじめ行先の候補がある中、他国に比べて求める技能が高いという条件でどれだけの人が日本という国に魅力を感じてくれるか、また、都市部には来てくれても中山間地などの地方にも来てくれるのかなど、未知の部分があります。
一部の業界では、今後景気の変化があったとしても常に労働力が不足すると見込まれているところもあり、法律が通ったからと言ってそれだけで安心などできないのも実情です。
また、外国人に比べ日本人の方が雇用に係る費用(外国からの招へい、宿舎などの環境整備など)を抑えることができます。
ですから、需給バランスで考えても日本人の「給料が上がらなくなる」とは考えにくいですし、日本人の方が雇用されやすいという状況は変わらないと思います。
政府は初年度4万人前後、当初からの5年間で最大34万人と公表しました。状況を見ながら、必要とされる以外の労働者は入れないと大臣も答弁をしています。

④想定通り、現実に運用できるのか
党内議論の最後には、制度を作ってもその通りやれない、不法滞在が増える、各員の技能レベルも不充分なものとなって混乱する、などもありました。
その他、労働組合、健康保険や年金などの社会保障、地方参政権、地域共同体の治安や教育などまで議論は広がり、それに対する案も出されました。

■ 常に行動する政治へ
その上で、私は、今回の法案に関しては、目の前の状況が切羽詰まったものであり待ったなしであること、移民政策への転換ではないこと、などを考えて、法案に賛成することにしました。
法案も、その規準を決める省令も、一度決めたらまったく改正しないというものではありません。目の前の課題解決に資すると思われれば決断し、そこから来るであろうマイナス面には全力で対処していくことが一番適切である、つまり、常に現場の状況にアンテナを張り、必要な施策、対策は遅滞なく取り続けることにより負の面を最小限に抑え続けることしかないと思います。
賛否両論ある中でも、決めることは大事です。
決めたことへの責任を問われることはもちろんですが、だからと言ってここを決められないと、以前体験した“決められない政治”へ陥ってしまいます。この決断が日本にとって良かったと言える状況を作り出すために、与党としても全力を挙げていきたいと思っています。

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