財務金融委員会による調査派遣レポート

2019年09月04日

衆議院ではいくつかの委員会を海外に派遣して、現地の状況を毎年調査させています。今年その一つに私が委員長を務める財務金融委員会が指名を受けました。
8月14日~21日の日程で、私が調査団の団長として委員会に所属する衆議院議員4人でポルトガル、スペインの2ヶ国へ行ってきました。
両国に共通しているのは、EU加盟国であること、財政難に直面してそこからの再建中であること、にも関わらずEU諸国の中でも高い経済成長率を維持していること、などです。
両国ともに銀行や役所、そしてビジネス業界の方などにお話を伺いました。その中で私はEUという枠組みの存在が大変大きいものだと感じました。
両国の、日本で言う消費税の基本税率は、ポルトガルで23%、スペインで21%です。食料品などへの軽減税率もありますが、日本と比べても高いと感じます。これらも財政難対策の一つとして引き上げられたと聞きました。また、両国ともに、年金の支給金額を大幅にカットするなど、社会保障政策費用を思い切り減らしています。
日本の現状では、到底採用できる政策ではありません。
結果としてポルトガルなどは、歳入に合わせて社会保障予算を減額した結果、歳入で歳出をまかなう予算を立てて新規国債を発行していないそうです。
しかしそういう政策がとれるのもEUの存在ではないかと私は思うのです。EUは財政に関して厳しい規律があります(一般政府財政赤字対GDP比を3%以内に、一般政府債務残高対GDP比を60%以内というもの)。これはユーロという通貨の信用を維持する目的のために、EU諸国に求めているものです。簡単に言うと、これを守れない国はEUから離脱しなければいけないということになります。この圧力はポルトガルやスペインにとっては立派な外圧です。この外圧があったからこそ、国内において不人気な政策でもとれたのではないかと思います。
しかもEUには、EU全体の発展のために、各国から負担金を集めて必要とするところにその資金を回すという、日本の譲与税のような制度があります。ポルトガルなどは明らかに負担する額よりも多くの額を受け取っているということでした。
もちろんEUの規律に合うよう努力するのであれば、資金面での支援もしてもらえます。日本のように中央銀行が貨幣の発行権を持っている国とポルトガルやスペインのようにその権利が既にない国との差も感じました。
この他、ポルトガルは10月に選挙を控えており、現政権が信任されそうだということです。一方、スペインでは暫定首相が国会で承認されずに、図らずも10月に総選挙か?とかなり対照的である上に、バスク、カタルーニャ(バルセロナが中心)地方の独立運動も抱えていて、少なからず遠心力が働いていることなども見てきました。
しかし、両国ともに街の雰囲気には暗さは感じられず、街中ではあちらこちらで工事が行われていて、活気を感じました。
国民の多くが明日の生命の心配をせずに今を充実して生きることの大切さを改めて感じて帰国しました。

ポルトガル大使公邸にて打ち合わせ

ポルトガル商業銀行の方々と

ポルトガル財務省でヒヤリング

ポルトガル中央銀行でヒヤリング

ビルバオ銀行にてヒヤリング

バスク地方の経済の牽引役とも言えるビルバオ港

カタルーニャ民間企業経営者連盟で訪問の署名

カタルーニャ州貿易投資事務所でヒヤリング

サグラダファミリアの前で