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議員立法の役割 ~ 従来の枠組みを超える立法の必要性 ~

2015年10月01日

長い今年の通常国会が終わりました。政府からこの通常国会に提出された法案(閣法)のうちの88%が成立しましたが、議員立法も12本成立しています。実はもっと多くの議員立法が国会に提出されたのですが、閣法の審議が議員立法よりも優先という中で、委員会で取り扱う環境が整わなかったり、時間が足りなかったりで、次の国会へと先送りされてしまったのです。
地方議会においては、議員条例など、ほとんど経験がないところもあるようですから、国会の様相はそういう点ではかなり違うと思われます。

■議員立法として提出するケース
政府が法案を提出せずに議員立法として提出をする場合には、いくつかのケースがあります。
①各省庁が望まない中身である場合
②関係する省庁が多く、どこかの省庁が取りまとめするのが難しい場合
③新しい分野に関するもので、まだ担当省庁がはっきりしていない場合  など
例えば、俗にカジノ法案(IR法案)と呼ばれているものの場合、法律の中で内閣府に事務局をつくり、担当省庁としています。
このように、最初の段階では担当省庁がはっきりしない場合は、議員立法としての取り扱いがなじむと思われます。

■国土交通部会が扱った議員立法
今国会中には成立しませんでしたが、国土交通部会で取り扱った法案に、「自転車活用推進法案」がありました。谷垣禎一自民党幹事長を会長に、超党派の自転車活用推進議員連盟が準備をしてきたものです。
自転車は健康によく(厚労省)、環境にも優しい(環境省)。その一方で、車や人との事故は注意する(警察庁)ことが必要で、自転車のマナー、交通安全教育(文科省)などが求められてきます。
また、自転車専用道路の設置や駐輪場の整備(国交省)なども必要になります。当然、自転車を製造する業界にも協力していただき(経産省)、情報通信技術を使って(総務省)自転車管理も適正化していかねばなりません。
災害時の活用、都市渋滞緩和策としての活用、また、観光客向けの自転車活用など、活用分野も広がることが期待されています。ここまで関係省庁が多くなると、どこか一つの省庁が他の省庁の上に立って取りまとめていくことはちょっと難しくなります。
道路交通法で自転車は「軽車両」とされており、基本は車道を走ることになっています。しかし法改正で、致し方ない場合は歩道を走ってもよいことになりました。この頃、自転車が原因の深刻な事故の話が頻繁に聞かれるようになりました。
便利で効率的で、省エネにもなるのですが、この「中途半端さ」が危険を高めており、対策をするための根拠となる法律が必要でした。しかし、役所で自転車全般の担当を決められない。そこで、議員立法なのです。

■「内閣府スリム化法案」の事情
実は、昨今の法律や施策で従来の枠組み、つまり一つの省庁だけでは完結しないものが大変増えています。現在、各省庁の中でこういう各役所間を調整する権限を持っているのは内閣府だけですので、これらの法案ができると、内閣府に事務局を置くことになります。
そこで問題となってきたのが内閣府の肥大化です。
先の国会でも内閣委員会には、国会「提出済み」と「予定」を合わせると10本を超える議員立法が集中しました。
そのため、内閣府のスリム化法案が出されることになり、機能を整理するとともに、最も関係の深い役所に事務局機能を移すことにしました。
今回、この自転車活用推進法案も、新たに内閣府に事務局を置くのはやめ、各関係省で打ち合わせてもらい、国土交通省が引き受けることとし、それを行うために各役所に指示ができるという権限も付与されることになりました。
そこで、当時私が部会長を務めていた国土交通部会が中心となり、部会審議を進めたわけです。
当選回数の若い議員は、多かれ少なかれ議員立法を抱え、それを通すための努力をしています。
私自身も、先月ご紹介した「休眠預金」の法案を抱えています。従来の枠組みを超える立法への要望を実現するという議員立法の役割を踏まえつつ、社会が必要とする議員立法がもっと増えるよう、そして野党にも審議に応じてもらえるよう働きかけをしながら、しっかりと結果を出したいと思います。

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