携帯電話料金の値下げの背景 ~ 業界健全化のための施策 ~

2019年03月01日

■ 方向性は業界全体の健全化
昨年、携帯電話の料金が下がるという話が注目されました。しかし、本当に?と思っていらっしゃる方もいるのではないでしょうか。
わかりやすさから「料金値下げ」が注目されますが、これは携帯電話業界全体の健全化と表裏一体だと思っています。
例えば、「0円携帯」や「キャッシュバック」などのお得に見えるフレーズが宣伝される一方で、プランが複雑で、どれが消費者にとって安く使えるのか判断しづらいのが現状です。
これらを健全な状態に近づければ、自ずと競争原理が働き、料金も下がるだろうというシナリオを描いています。昨年から消費者庁も動き出し、規制を厳しくし始めました。間違いなく動き始めています。

■ 新規参入による健全化
個人的な見解ですが、今年の初夏あたりから安くなったと実感し始めるのではと思っています。
そう判断する理由の一つは、今秋から楽天が第4の携帯事業者として参入するという要因です。
楽天の事業モデルについては正確に知るところにはありませんが、既存のショッピングモールや金融決済機能といったものの組み合わせによって最終的に利益を求めるのだろうと推測しています。
その基盤を背景に、新規参入として戦略的に料金をかなり安く設定してくるものと思われます。
一方、ドコモは年間4000億円の減収となる規模で値下げを行うと発表しています。楽天への対抗措置と考えられます。

■ 法改正による健全化
理由の二つ目は、今国会に提出される電気通信事業法改正案です。この中にいくつか大きな変更が含まれています。
まず、複雑な料金プランの原因を是正します。通信料金と端末代金を完全に分離した上で、期間拘束などの行き過ぎた囲い込みも是正する制度を整備します。これにより、サービスと料金を会社間で比較できるようにし、よりよいサービスを提供している会社に乗り換えしやすくします。
次に販売現場の健全化へ向けて、販売代理店(街の中にあるショップ)について事前届出制を導入します。
現在、ショップのほとんどは販売だけを専門に行う代理店が運営していますが、総務省は携帯事業者しか把握しておらず、販売代理店(ショップ)の運営会社やその代表名・連絡先なども携帯事業者経由でしか情報が届きませんでした。こうした状況を改め、監督していきます。
同時に勧誘の方法にも突っ込んで、利用者の利益保護のためのルールも強化します。このような法改正を行うことによって、業界の健全化を後押しします。
しかし携帯ショップには他にも様々な課題があるのも事実です。先日あるショップに行きましたが、3時間後に再来店するよう予約券を渡されました。
また、働く側にとってもやりがいを感じられる職場になっていないところが少なくないようです。本当にお客様のためになる売り方、勧め方をできずにジレンマを抱えるショップもあります。

■ 健全化を促進するために
その他、中古端末が普及していないという点があります。私のように通話とメールやSNS、インターネットのニュースを見るだけという利用者には、最新の高機能がついた十数万円もする端末は必要ありません。
それぞれの利用者のニーズに合わせ、値段設定がされた新・中古の端末が流通していることも利用者にとっては必要だと考えられます。
利用者の立場になれば改善点が見えてくるわけですが、様々な制約のなかで当事者のみなさんも日々ご対応いただいているのも事実です。
少しずつ変わってきています。すでに私たちの生活インフラのど真ん中に携帯電話はあるわけですから、この健全化の流れを様々な手法で定着させていきたいと思っています。