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経済財政運営と改革の基本方針2018 ~ 人口減少と少子高齢社会における取り組み ~

2018年07月01日

早いもので夏至も過ぎ、すでに今年の半分が過ぎてしまいました。
毎年この時期に「骨太の方針」と「成長戦略」が発表されています。今年は6月15日でした。
「経済財政運営と改革の基本方針2018」という題が示すように、財政、予算組みの方向性や現時点で重要な改革テーマについて記述されています。

■ 経済環境の現状分析

まず、政権交代以降景気回復が長期間(戦後2番目の長さと目される)継続されており、成長から分配への経済の好循環は着実に回っていると分析しています。
企業収益は過去最高、設備投資もリーマンショック前の水準を超えて拡大しており、しかも、製造業、非製造業ともに増加しています。景気の良さは有効求人倍率に跳ね返り、すべての都道府県で「1」を超える状態であるとともに、失業率は25年ぶりの水準まで低下しており、逆に人手不足感がバブル期以来の水準まで強まっています。
賃金は中小企業を含め多くの企業で5年連続のベースアップが行われ、年収ベースで3%以上の積極的な賃上げが行われています。
雇用、所得環境の改善が続くなかで、個人消費の伸びは平成29年度には3年連続のプラスとなり、力強さはないと指摘されてはいるものの、持ち直しが続いていると現状分析されています。
そして人口減少と少子高齢化が経済再生と財政健全化の両面での制約要因となっていくだろうと言及し、個人や企業の役割、社会保障教育、住宅政策や労働政策、さらにはマイナンバー制度の利活用やテクノロジーの飛躍的発展など、幅広い視点に立って年齢による画一的な考え方やそれに基づく制度を見直す必要があると指摘しています。

■ 財政健全化スケジュールの見直し

これまでの目標である平成32年度のプライマリーバランス(PB)黒字化が困難であると、今年の方針で明確に認めることになりました。政府としては新たに平成37年度という達成目標年度を掲げました。
また、来年からの3年間を「基盤強化期間」と位置づけ、財政健全化目標と毎年度の予算編成を結び付けるための仕組みを示して、社会保障関係費などの歳出について、この仕組みに沿って予算編成を行うことにしています。
目標を達成するには、国債残高を減らしていかねばなりませんが、そのためには残高が増えない点に到達し、そしてそこを超えていくことが必要とされます。
まずはそのポイントを目指すという目標ですが、社会保障や景気動向にも目配りしていかねばなりません。ただ単に使うお金を絞って予算を抑えるだけでは、適切な社会環境はつくれません。ここのさじ加減が本当に難しいところです。

■ 重点を置く取り組み

重要政策という点では、人づくり革命、生産性革命のかけ声の下、幼児・高等教育の無償化、リカレント教育、女性活躍の推進、高齢者・障がい者雇用、「Society5.0」の実現、そして働き方改革として長時間労働の是正、同一労働・同一賃金の実現、高度プロフェッショナル制度の創設に最低賃金の引き上げなどのテーマが並びます。

■ “大転換的”な取り組み

今回追加された大きな政策変更が、「新たな外国人材の受け入れ」です。中小・小規模事業者をはじめとして、建設業や介護職の分野などでの人手不足は深刻です。すでに多数の外国人が国内でこれらの業務に従事しているのが現実です。
今まで外国人に対して基本的に労働力としてではなく、研修生、つまり日本で技術を学ぶという枠組みで対応してきましたが、今回の方針においては改めて現状を追認する形で条件をつけたにせよ、労働力として外国人材を受け入れるという政策的な“大転換”です。
一定の専門性や技能を有し、即戦力となる外国人材を幅広く受け入れていく仕組み構築と彼らのための新たな在留資格を創設する、としています。また、外国人留学生にも注目し、国内での就職をさらに円滑化し、その率も増やしていくこととしています。
先月いわき市の商工会議所を視察した際も、いわき市にある東日本国際大学の留学生をいわき地域に就職・定着させたい、そのために政策的なバックアップを、との要望をいただきました。

■ 外国人材に支えられる日本経済

しかしあくまで、移民政策とは異なるものとして取り組んでいくと強調しています。ここは大事な点です。
昨年度警察庁にお願いして、運転免許の学科試験の問題をベトナム語で作成してもらいました。今年10月から神奈川県ではベトナム語で日本の運転免許の学科試験が受けられるようになるわけですが、そういう要望が地元から出るほど、すでに多くの外国人材に日本経済は支えてもらっているわけです。
この免許は一例に過ぎず、外国人材が日本において適切な環境下で生活や労働をし、地域に円滑に受け入れてもらうための様々な取り組みが行政には求められることになります。
この方針転換を受けて、今後一つずつ新たな仕組みが表出すると思います。
日本や日本経済にとってのみならず、外国の方々にもプラスになる体制づくりを進めていきたいと考えています。

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