郵政業務の現状と展開 ~ 郵政担当の副大臣から見た郵政政策 ~

2018年04月01日

私が初当選させていただいたのは「郵政選挙」でした。その衆院選後に郵政民営化法案が通りました。その後一度法改正され、4つの民営会社に分割したものを3つの会社に再編し、今に至ります。

■ 複数の省庁が関わる郵政業務
現在総務副大臣を拝命しておりますが、この郵便局に関わる業務も私の担当になっています。
郵便局関連の主な組織は、総務省の「情報流通行政局郵政行政部」(法に則って業務がなされているか監督する組織)、内閣官房が事務局を担っている「郵政民営化委員会」(郵政民営化の進捗状況などを議論する組織)です。
他にも、金融については金融庁が、物流については国土交通省が監督し、さらに日本郵政の株の売却は、財務省の理財局が行うことになっています。
自民党においても、党の組織としての「郵政事業に関する特命委員会」、自民党の国会議員で作る「郵便局の新たな利活用を推進する議員連盟」があります。当時、私たちが訴えた郵政民営化は、実際どこまでどのように進んでいるのでしょうか。

■ 郵政民営化後の動き
<株式>
日本郵政を持株会社に、現在は日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の3つの会社があります。民営化法によって、日本郵政の株式は政府が保有する1/3以外は売却されることになっています。
昨秋に2回目の売却が行われ、政府保有株式は約57%になっており、次の3回目の売却が最後となります。
金融子会社2社に関しては全株売却方針で、現在はゆうちょ銀行74.2%、かんぽ生命89%の株を日本郵政が持っています。

<ユニバーサルサービス>
郵便、銀行、保険、それぞれの窓口業務に関しては、現在「全国において公平に利用できるようにする責務」を、日本郵政と日本郵便は負っています。減少が懸念された郵便局の数ですが、平成19年10月1日の民営化時の24,540局が平成29年12月末で24,404局と、横這い状態です。

<収益>
全体の経常収益は平成20年度の約20兆円から平成28年度は約13.3兆円と減り続け、経常利益も支出を減らして何とか確保しているものの、8,000億円~1兆円で推移しています。
特に、インターネットメールの普及で郵便の取扱量は大幅に減り、この流れは今後も続くと考えざるを得ません。一方、小包の取扱量は増えていますが、配達に携わる人材不足などがネックとなっています。
また、以前特定局と言われていた身近な郵便局についても、既存の業務に手一杯で、新しい事業に大々的に乗り出すのは難しいのが実態です。
そのため政府としては、少子高齢化、人口減少、ICTの進展などの社会環境の変化に対応して、利用者視点に立った利便性の向上に関して議論を開始し、既にいくつかの取組みもスタートさせています。

■ 新規事業の拡充
郵便事業では、例えば、まだ192箇所ではありますが、ゆうパック受取りのための宅配ロッカー「はこぽすの設置を進めています。

金融分野では、ゆうちょ、かんぽ2社それぞれにおいての限度額の引き上げ(ゆうちょ銀行1,000万円→1,300万円など)や、新規業務の認可を行ってきました。
昨年の10月からは高齢社会への対策として、「郵便局のみまもりサービス」を開始。①訪問②電話③いざという時の駆けつけを中心としたサービスです。
例えば、①は社員が高齢者宅を訪問して状態確認をして、その結果をご家族や自治体へお知らせします。②は毎日自動音声電話をかけて、利用者に元気かどうかボタンを押してもらうというサービスです。
また、子育て対応としては、さいたま中央郵便局敷地内に認可保育施設を設置し、運営事業者に運営してもらっています。他にも郵便局の建物・敷地の活用事例としては、コンビニ、レンタル収納スペース、駐車場などがあります。
そして、海外からの観光客の増加を背景に、観光客のニーズに応える「手荷物の一時預かり」や「宿への手荷物配送」などを京都中央郵便局で始めました。ここの専用カウンターではICTを活用した多言語翻訳機を導入し、英語、中国語の対応が可能となっています。
昨年12月から開始したサービスですが、現状としては「荷物を預けると無くなる、出て来ない」という不安を持つ旅行者も多いようで(彼らの国や今までの体験で、郵便局といえども信用できないという感情があるようです)、まずは、「日本では紛失することがほとんどない」ということをわかってもらう必要がありそうです。
不動産業については、「JPタワー」という高層ビルに生まれ変わった東京駅丸の内口の東京中央郵便局が有名です。
その他に東池袋、恵比寿西、三田四丁目などに開発中の物件があります。これらの開発をグループで行っていくためにも、不動産開発のための子会社を設立します(一般物件の賃貸などは取扱いません)。
マンション、オフィスビルや商業ビルとしての開発を迅速に進め、地域の賑わいへの貢献を一層進めていこうということです。

■ 「郵便システム」の輸出
既にロシア、ミャンマー、ベトナムなどでは、日本の郵便システムを導入した様々なプロジェクトが進行しています。
詳しい説明をする紙幅がありませんが、ベトナム・ハノイでのプロジェクトでは、ハノイ~ホーチミン間の送達日数が、小包で2日も短縮されて6日となりました。ハノイの郵便区分センターでは、1週間に130件もあった破損数が週1件と驚異的に減少しています。
私も実際に川崎東郵便局を視察しましたが、今は自動化が進んでおり、「区分機」が定形郵便物の住所を読み取り、配達局別に並べ替えるだけでなく、配達順にまでしてくれます。ビックリです。改めて郵便番号を明記する必要性を実感しました。

↑書状区分機

こういう機械化のみならず、ICTの活用や郵便局の仕分けの仕方や取扱い、また、現地の郵便局の新規ビジネス開拓のサポートなど、幅広い協力を既に行っています。
日本郵政のノウハウが立派なインフラ輸出の商品となっていることは大変誇りに感じる点です。
私の地元においても、地域に貢献しようとがんばる郵便局長さんたちや社員の方々が多数おられ、本当に頭が下がる思いです。
私が平成17年の総選挙で訴えた郵政民営化の姿と現在の姿は決して同じではないと思っています。その中で共に努力し、利用者にも郵便局の方々にも、良かったと思えるあり方を目指して知恵も出し合っていきたい、と思っています。

 

視察の様子(総務省HPより)
神奈川県川崎市にある「郵便・物流ネットワーク再編」の第一号拠点であり、また、日本と海外をつなぐ国際郵便物の玄関口である川崎東郵便局の視察及び意見交換を行いました(平成30年2月19日)。

↑書状区分機

↑大型郵便物用区分機

↑ゆうパック区分機

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