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情報通信政策の現状 ~ 日本の成長戦略を担う分野としての情報通信 ~

2018年03月01日

■ 情報通信にかかわる5つの業務

総務兼内閣府副大臣に就任して7か月になろうとしています。旧郵政省系の業務とマイナンバー政策を担当していますが、私の就任後だけでも、それらの政策にはすでに大きな動きがあります。それだけ注目されている分野であり、また今後の成長戦略などにも直結するインパクトを持った分野だということだと思います。
それを示す一つの指標として、政策課題に関しての検討会の多さがあげられます。私が担当する情報通信系だけでも、各分野に計7つの検討会が設置されていて、それらの下に計5つの分科会が動いています。1回の会議時間は1~2時間であることが多く、私自身も一日2~3の会議に出席するほど、活発に作業がなされています。
分野は大きく分けて5つ。セキュリティに関するもの、放送をめぐる諸課題に関するもの、電気通信事業(携帯、スマホやICT利活用)に関するもの、オリンピック・パラリンピックの対応を含む未来ビジョン(今後のあり方)を議論するもの、そして電波関連です。今回はそのうちのいくつかに関してご紹介します。

■ 技術革新と周波数帯のせめぎ合い

この仕事に従事して改めて感じたことは、電波の威力とその大きさ、そしてその有限性です。私の知人が以前、ニコラテスラという有名な発明家の「この世は波でできている」という言葉を教えてくれました。その時はそんなものかなぁと思っただけでしたが、私たちの身の回りにこれだけ電波が飛び交っているのを知ると、電波のすごさを感ぜざるを得ません。
しかも技術革新によって、電波はますます多くの社会貢献ができるようになっていきます。その存在感や期待は大きくなっていますが、使える周波数には限りがあります。そして使える周波数帯はほとんどすでに割り当て済みと言っていい状況で、新しい技術が開発されても、その技術を展開する周波数帯を割り当てることができなければ実用化できません
しかしその一方で、技術革新により不要になったり、当初の想定ほど使われていないという周波数帯なども出てきます。すでに近海の洋上では、通常の携帯電話の能力が上がり、専用の通信装置が不要になっています。
また新技術の誕生により、今まで共用できなかったものが共用できたり、今までよりも少ない割り当てで同じ効果が得られるようなものもあります。そこで、この周波数をどこにどう割り当てるか、そのためにどうまとめていくかという作業が常に行われているのです。
直近では、第4の携帯会社の誕生が注目されていますが、こうした携帯電話会社に対しての新しい周波数の割り当ても、これらの集約と合理化の結果スペースを創り出せたことによるものです。ただ、スペースを空けると言っても、そこを使っていた方々には他の周波数帯を割り当てなければなりません。周波数帯が変われば、送信機や受信機はじめ、インフラを全部交換しなければならず、その「引っ越し作業」にかかる費用も膨大になります。

■ 「電波は国民共有の財産」の推進

こうしたテーマに対応する検討会が「電波有効利用成長戦略懇談会」です。「電波利用ニーズの拡大に対応するため、国民共有の財産である電波を最大限に活用し、機動的な再分配を行う」ための検討会であり、①周波数の返上等を円滑に行うための仕組み②周波数移行を促すインセンティブの拡充創設③割り当てにかかわる制度の見直し④電波利用料体系の見直しなどの検討項目を掲げ、携帯各社、テレビ・ラジオ業界、メーカーや研究機関などからヒヤリングを行っています。
特にこの電波に関しては、昨秋から規制改革推進会議でも取り上げられているホットな分野です。答申が出るまでは「電波オークション導入か?」などとメディアでも話題になりました。この懇談会でも、電波利用料も議題にあげられていますが、「電波は国民共有の財産である」という考え方を推し進めて、今までの電波利用料の考え方を変えていきます。
今までは、電波行政にかかる費用は電波を使っているメンバーで頭割りするという考え方で電波利用料が決められて来ました。今後は周波数の割り当ての際にも「国民共有の財産を利用するのだから、そこにどれだけの経済的価値を認めるのか」つまり、どの程度の負担ができるのかを示してもらい、それも含めて総合的に勘案する方向になりました。すでに設定されている電波利用料に関しても、適正化の観点からヒヤリングの項目にあがっています。
一方で、それら電波利用料の使途についても見直しがあげられており、先ほど指摘したような技術開発や周波数帯の「引っ越し」などに今まで以上に充当できないかといった、電波の有効利用をより推進していく方向を検討しています。

■ 情報通信技術の革新とその対応

4K、8Kの本格放送もこの12月から始まりますが、それらのための周波数が必要になります。また、5Gと呼ばれている第5世代の通信技術も、実用化のためには周波数の割り当てをしなければなりません。どんどん高性能化していくということは、それに応じて送られるデータ通信量も驚異的に増加していくということでもあります。
情報通信をめぐる環境が常に大きく変わり続けるなか、制度やルールが時代に遅れてはいけません。関係者から話を聞き、現場を見、有識者とともに現実に追いついて、世界にも展開・輸出できる産業分野に育てていきたいと思っています。

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