テレワークの可能性 ~ ICT技術による「働き方改革」 ~

2017年12月01日

平成32年に東京オリンピックがスタートする7月24日を、今年から「働く、を変える日」、つまりテレワーク・ディとして政府が位置づけ、全国的な国民運動にしようとしていますが、ご存知でしたか?

■働き方改革の切り札

テレワークは「tele=離れたところで」と「work=働く」を組み合わせた造語です。ICT技術を活用して、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方のことを指します。
そしてこのテレワークは、子育て世代やシニア世代、また障がいのある方も含め、国民一人ひとりがそれぞれのライフステージに応じた働き方が実現できる「働き方改革」の切り札と考えられています。
私なりに表現させてもらうと、テレワークとは会社の事務所という場所以外で働くことですから、みんなが一堂に会して会議や打ち合わせ、作業を必要としないことを可能にすることです。どうしても必要な会議などはありますので、ICT技術を用いてweb会議というインターネットなどを利用して画面を見ながらの会議のやり方などを導入し、仕事の効率化を図っていきます。

■日本で普及が遅れている理由

日本におけるテレワークの導入率は、従業員数100名以上の企業で13.3%であり、アメリカの85%、イギリスの38.2%に比べるとまだ低いレベルです。これを平成32年に34.5%(平成24年度の3倍)にすることを政府目標としています。
このテレワークに国民的な関心が高まらないのは、テレワークに向かない職種があること、テレワークの働き方導入は一般の社員が決定できない、つまり、自分がやりたいと思ってやれるものではない、という点にあるのではないでしょうか。
前者に関しては、まだテレワークが広く普及していないので、「やれない」と思い込んでいるというケースも少なくないと聞いています。
会社の事務所以外での仕事と言えば、自宅をはじめサテライトオフィスや時には営業先の企業、作業現場だったり、移動中の車内ということもあると思います。テレワーク月間である11月の27日には、「働く、が変わる」と題したイベントを開催し、テレワークの先進的な取り組みを表彰しました。様々な事例を公表し宣伝することにより、今までテレワークには関係ないと思っていたジャンルの仕事にも新たに導入してもらえると考えます。
後者に関しては、確かに経営者や経営側に導入の決定権があるわけですから、経営者に導入メリットを理解いただくのと同時に、多くの社員さんたちからも事あるごとに提案していただくことが必要です。

■成果が出始めたテレワーク

実際にテレワークを導入している会社の事例では、様々な効果が上がっているという報告がされています。例えばテレワークを可能にするICTのシステムを提供している会社には、サービスを提供したテレワーク実施会社の5割以上が業務効率向上を実感し、8割ほどでワークライフバランスの向上を実感しているとの数字が出ています。また、テレワークを実施したある会社では、上司の9割以上が実施前と比べて、同等もしくはそれ以上の成果が出たと回答し、営業職では1時間のロスが省け、その分営業活動に回せたと答えています。
先日のイベントで表彰された企業の報告でも、社員一人当たりの売り上げが26%、社員満足度は40%上がっています。一方、残業時間は5%、雑費・交通費は20%、女性離職率は40%、書類の量が49%減少しています。
テレワークは就業者にとって働き方の選択肢を増やすのみならず、企業にとっても生産性の向上、電気代をはじめとするコストの削減、優秀な人材の確保などのメリットがある取り組みなのです。同時に、社会にとっても駅のピーク時の混雑緩和、女性の就業促進、そして趣味やレジャー、家族サービスなどへの消費が増えたというプラスの報告が上がってきています。

■テレワークによる移住、オフィス改革

社会という観点からは、総務省は平成27年度から「ふるさとテレワーク」という事業をスタートさせました。地方の古民家、蔵、空き家などを改修し、サテライトオフィスとして活用して、都市部から人、仕事を地方へ持ってこようというものです。平成27~29年度で全国48か所で実施しています。テレワークによる地方移住の事例としてすでに徳島県内(除徳島市)で602世帯913人が移住してきています。これも物理的な距離によるハードルをICT技術が超えたことにより可能となってきた動きです。
また、オフィスそのものの改革が議論されています。自分の席と電話、パソコンが設置されているといった今までの形態から、自分の席というものをなくし、無線でパソコンが使えるようにし、持ち運べるようにした上で、個人個人に社内だけのPHS(持ち運べる電話)を渡し、web会議ができるように変えていくというものです。ペーパーレス化ももちろんです。
総務省ではいち早く行政管理局のオフィスがこれらを導入しています。その結果、残業時間が20%減り、会議開催のための準備が32%短縮され、紙の資料などが53%削減、何より9割の職員が評価をしています。今までにこのオフィスへの見学に1900人超が来ており、民間企業にも同様のオフィスが広がり始めています。横浜市も現在新庁舎が建設されていますが、一つのヒントになればと、総務省のオフィスを見学していただきました。

■「三方よし」を目指すテレワーク

テレワークという取り組みは就労者、企業、社会それぞれにとって、今よりもよくなっていくためのものにしていかねばなりません。特に企業にとってプラスになることが重要であり、そのためにICT技術をどう活かして、より生産性を上げていくかがこれからの重要なポイントだと思います。
総務省としても衆目を集め、テレワークを社会改革へとつなげていけるよう実績を上げていきたいと思っています。
なお、テレワークに関する情報を知りたい、または導入を検討したいという方には、総務省 情報流通高度化推進室の「テレワーク担当(03-5243-5751)」が対応しています。お気軽にご連絡ください。

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