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「Society 5.0」への展望 ~ 日本の強みを引き出す「未来投資成長戦略2017」 ~

2017年07月01日

今年の通常国会は本質的な議論がほとんどなされず、閉会直後に安倍総理も反省の弁を述べましたが、議論されなかったテーマの一つに、今年の成長戦略「骨太の方針」があります。同時に「規制改革の実施計画」と「まち・ひと・しごと創生(地方創生)基本方針2017」も閣議決定されています。

■「Society5.0」とは

特に私が注目しているのは、「未来投資戦略2017」と命名された成長戦略です。今回は「Society(ソサエティ)5.0」という考え方を基軸として取りまとめています。
Society5.0とは、これから現出していく新しい社会のことを表します。つまり、今までの人類社会を狩猟社会→農業社会→工業社会→情報社会への変化と整理すると、これからやってくる5番目の社会は、新しい価値やサービスが次々と創出され、社会の主体たる人々に豊かさをもたらしてく社会になると想定されていて、今回はその社会をSociety5.0と呼んでいます。
これまではインターネット上のデータを活用するというのが中心でしたが、これからはリアルデータを活用する段階へと入っていきます。まずは医療、介護、自動走行、工場設備、農業、工業といった分野が主な舞台になると思われます。現場から続々と情報が入ってくる中で、常に最善の組み合わせや統合を行うことにより、そこに新たな価値を生み出していく。日本が優位性を持っている分野だと言えます。

■「Society5.0」の実現がもたらすもの

Society5.0が実現するとどうなっていくのでしょうか。
例えば、医療現場では、お医者さんは初診の患者さんの同意の下、今まであちこちで受けてきた健診、治療、介護記録を見ることができます。救急搬送されたときでも、個人に最も適切な治療がいつでもどこでも可能になります。
また運転手が要らない自動走行のバスや車が導入されれば、これらの車両を使った移動サービスを利用することができ、高齢者が無理して運転することもなくなります。
建設現場などでも、今まで長期間の経験が必要だった技術なども、ICT建機により、新人の作業者でも短期間で同等の作業ができるようになり、熟練工だけにしわ寄せが行く状況を脱することができます。
農業分野では、今まで蓄積されてきたデータを分析し、理想的な田畑の状況と考えられるものとどこがどのように違うか、また何がどれだけ必要かを知ることができ、経験や長い間培ってきた「勘」を補うことができるようになり、初心者の農業参入のハードルが低くなっていくことも想定されています。
このSociety5.0を進めることによって、日本のモノづくりの強さを生かすことができ、また何より、高齢化に伴う労働人口の減少や環境エネルギー問題に対して、大きな役割を果たすことができると考えます。

■「Society5.0」への具体的な進め方

第一段階で、勝機のある「戦略分野」への選択と集中を行っていきます。「健康寿命の延伸」「移動革命の実現」「サプライチェーンの次世代化」「快適なインフラ、まちづくり」「Fintech」の5つです。
第二段階で価値の源泉の創出に向けた共通基盤の強化に取り組んでいくと同時に、人材と労働移動の円滑化を進めていきます。
第三段階として、「まずはやってみる」という「実証による政策形成」に舵を切っていきます。これは、失敗が許されないとされ、チャレンジに慎重にならざるを得ない行政マインドにおいて画期的なことです。こうした姿勢になっているのも、世界に後れを取ってしまうことが実感として理解されたからではないでしょうか。
第四段階でSociety5.0時代の産業構造に向けた新陳代謝システムを構築し、第五段階で地域経済好循環システムを構築する、という形で進めていきます。

■報道されない成長戦略

安倍政権になっていくつかの大きな改革を行ってきましたが、今回もかなり思い切った提案をしていると私は強く感じます。しかし、全くと言っていいほどメディアが取り上げていないということは、日本にとって残念なことです。これらの政府の目指すべき方向性は、国民や日本の企業などと共有し、ともにその目標を念頭に置いて努力するところに相乗効果がより強く表れてくるものと思います。
この計画も単なる計画で終わることなく、日本の最も大きな少子高齢・人口減少社会の課題解決に、財政的・実際的に貢献するよう努力していきます。

 

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