空き家対策 ~ 人口減少社会の「まちづくり」 ~

2017年04月01日

■「まちづくり」の方向性の変化
ここ数年、空き家対策をはじめ、「まちづくり」に関して動きが活発です。少子高齢化が進む人口減少社会を迎えて、社会保障分野が最も直接的な影響を受けていますが、「まちづくり」も総合的に対応していくことが求められている分野であると思っています。
「まちづくり」の方向性の大きな変化は
①拡大からコンパクトへ
②都市部において、農地や緑の保全・活用へ
という2点です。
②は、すでに都市農業推進基本法案が成立していますが、この法案は産業としての都市農業を後押しする基本法として認識されています。
今までは特に市街化区域においては「生産緑地」という厳しい制約のついた形でしか農地は残せず、それ以外の場合は“罰則的”税率がかけられていたわけですが、今国会に提出されている改正案には市街化区域内に新たに「田園住居地域」という用途地域を作ることも含まれていて、農地と調和した低層住宅環境を保護しようという大きな変化が起きています。
①に関しても、「コンパクトシティ」や「小さな拠点」という用語がたびたび聞かれるようになりましたが、今まで郊外部に広がってきた様々な都市の機能をもう一度中心部に集めていこうという方向で種々の施策が進められています。この方向性は行政費用圧縮の面からも求められています。そしてその一貫した施策の一つが空き家対策です。広い意味から言えば、先月の小紙のテーマであった「民泊」法案も、空いている部屋などの活用方法として空き家対策の一つだとも言えるかと思います。

■「空き家」とは?
実は空き家と言っても、我々が通常想像する「人が住めるのに住んでいない、空いた家」だけではなく、人が住める状態ではない、雨漏りどころか壁すらない空き家も存在します。
余談ですが、人が住めないほどの物件に「空き家」という用語を使うことは混乱を招くので、別の用語を設定した方がいいと国土交通省の担当者に私は提案していますが、現時点では、崩壊の可能性がある危険な物件を「特定空き家」と呼んでいます。
これらの建物、もしくは「元・建物」は、本来大家さんの管理責任の下、大家さんが解体・撤去をすべきなのですが、それが様々な理由で不可能なときには、自治体が代わりに除却する(取り壊す)ことができるよう、法を整えてきました。そして、住める家や部屋に関しては、流通を促進していこうとしています。

■「空き家」市場が拡大しない3つの理由
実は、日本の住宅市場において、中古住宅の市場は極めて小さく、ほとんどが新築住宅で占められています。中古住宅には価格が安い、実物を見て検討できるというメリットがあるにもかかわらず、その市場が大きくならない理由をまとめると、次の3つに集約できると思います。
一つは、見えないところに瑕疵(不具合)があるのではないかという「不安」
二つ目は、見た目が汚れている(使われているから当たり前なのですが)、設備そのものが時代遅れになっているという「古さ」
三つ目は新築物件と比べて、情報が少ない上に、今までの管理や修理状況などが「不明」ということ。
そのため、今回はこの3点を中心に対策をとります。
まず、建物状況調査を求めています。構造上の不具合がないことを確認するとともに、耐震性を有することを保証してもらいます。
次に「古い」を払拭するために、リフォームの基準を定めます。また、ネットで確認する消費者にも、外回り、内装委加え、水回りの現況を提供するようにします。
最後に、今まで以上の情報提供をしていくようにします。新築時の情報、管理履歴、保険保証関係、省エネ、共用部分の管理に関する情報などです。
そして、これらの基準を満たした物件を「安心R住宅(仮称)」として認定マークを出せるよう、住宅要件を国が決めます。
消費者はそのマークがあれば一定以上の基準を満たしていることがわかるので、今までより安心して購入することができるようになります。
一方で、現場の関連業者の皆さんにも協力いただくことが必要になります。不具合のある住宅を紹介してしまうと評判が落ちるので、中古物件は敬遠されがちだということも聞いています。しかし、日本全体の住宅流通状況から見てもこうした取り組みは必要だと思われるので、関連業者さんが協力しやすい環境作りにきめ細やかに対応するよう、当局にも求めています。

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