議員立法が成立するまで ~ 休眠預金活用法案の成立過程 ~

2016年12月02日

「支援を必要とする人のために眠っているお金を使えるようにしたらいいと思う」と考えていた菅内閣官房長官から参加を勧められた民間のシンポジウムに、私が出席したのが平成25年1月。それ以来進めてきた、休眠預金活用法案が今国会で成立しました。
そのシンポジウムで「議員連盟をつくって、推進します」と宣言しているので、やっとその任の一部は果たせたかなという思いがあります。

■休眠預金口座とは
10年間出し入れがない口座の預金などを「休眠預金」と言いますが、現在はその口座がある金融機関の所得として扱われています。
「それはおかしいのでは?元々みんなのものであれば、みんなに返さなくては」という単純な発想が今回の法案の原点になっています。
その「みんな」への返し方ですが、
①国の一般会計に入れて、国の予算として使う
②預金保険機構への金融機関が支払う保険料を安くして、その分を利子に上乗せする
…というような考え方もありましたが、今回の法案では、
民間の公益活動の支援を通じて還元する
という方法を選択しました。

■法案成立の足跡
塩崎恭久会長(現・厚労大臣)を中心に、まずは自民党内で法案全体の流れや骨格をつくりました。このときに海外での事例や様々な法律との整合性を勉強しました。
その骨格を元に中身を詰めていきますが、ある程度の形ができたところで公明党の実務者とすり合わせをします。
そして叩き台ができたところで、野党にも声をかけて超党派の議員連盟を発足し、大枠から細かなところまで叩き台を検討して、キーとなる文言なども詰めました。
金融庁・内閣府の方々や衆議院の法制局の担当の方にもご尽力いただいて、法案ができると各党内の内部の手続きを行っていきます。
党がこの法案に賛成をするということを正式に明らかにするための手続きです。自民党では部会、政調会、そして最後に総務会と段階的に了承を得る必要があります。全員賛成で決めるのが基本の総務会では、二回にわたり了承を得られず、議連の自民党メンバーが総務会の議員たちを回り、その上いろいろな方々の口添えをいただきながら、三回目の総務会で何とか了承を得ることができました。
そして最後のハードルとなる、国会の衆参の委員会・本会議での審議採決に臨むことになりました。
昨年の通常国会は延長し9/27までの長い会期となりましたが、付託予定の内閣委員会の時間が空かず、見送りになってしまいました。
加えて、昨年は臨時国会が開かれず、今年の通常国会に持ち越し。付託する委員会も内閣から財務金融委員会に替えて待つも、会期末に。最後、衆議院の財務金融委員会で、採決までは無理でしたが質疑終局までなんとか進めることができました。そしてやっと今臨時国会で審議・採決の時間が取れて、成立する見通しとなりました。
この間、いろいろ勉強させてもらいました。
委員会での審議の議題にあげていただくため、国会対策委員会の役割の大切さも改めて実感し、そのために私は国対の財務金融委員会担当を希望し、現在そこで仕事をさせていただいているわけです。

■法案成立後の仕事
しかし、法律が成立したからすべて終わりというわけではありません。
各金融機関と預金保険機構をつなぐコンピュータネットワークシステムを構築しなければいけませんし、法案で想定している機能がその通りに動くよう新たな組織も整備していくといった作業も見守っていかねばなりません。
今まで法案成立にご協力いただいた民間のみなさんや今回、最終的にこの預金を活用いただく公益活動を担う民間団体のみなさんにも今まで以上に力を借りることも必要となるでしょう。

■休眠預金活用法の役割
年間1000億円発生すると言われる休眠預金です。
その後の払い戻しの要請に応じて、預金者に払い戻しをしても半額強は残ると考えられています。大変大きな金額です。法律を推進した私たちにも大きな責任があると思います。後ろ指を指されないような、実際に社会に役に立っている活動にぜひ使ってもらいたいです。
今回の法案では、
1.子ども・若者の支援 
2.日常生活等を営む上で困難を有する者の支援 
3.地域活性化等の支援
こうした支援を民間が行う場合、その活動に対して活用してもらうことになっています
5年後には幅広く見直すという付帯決議がついているので、5年後の見直しのときに今回の根幹をしっかり評価できる結果を期待したいと思います。
最後になりますが、休眠預金は10年を過ぎても、預金の存在がわかれば、申請すればすべて払い戻しされますので、その点はご安心いただきたいです。