• ホーム
  • » 今月の主張 » 伊勢・志摩サミットの着目点 ~「世界の中の日本」を意識した働きかけ~

伊勢・志摩サミットの着目点 ~「世界の中の日本」を意識した働きかけ~

2016年06月01日

5月26、27日の両日で伊勢・志摩サミットが行われ、議長国として、安倍総理が議長を務めました。

■日本外交の転換
将来振り返ってみた時に、今回のサミットは安倍外交、地球儀を俯瞰する外交の成果の一つであると同時に、日本の外交の一つの分岐点だと言われるのではないかと、私は思います。内容についての評価はともかくとしても、今回ほど日本の立場を鮮明にするとともに、その方向で取りまとめたいと精力的に国のトップである総理がこれほどまでに動いたことはなかったのではないかと思っています。
つまり、議長国という「名」と、財政出動の必要性を確認し行動に移すという「実」と、今回のサミットでは名実ともにその旗振り役を担ってきた、と言えるのではないでしょうか。

■世界規模での「三本の矢」
安倍内閣はもともと目標を明らかにしてきているので、今回も「達成できた」または「できなかった」などの評価をされますが、今までを考えてみれば、国際社会での存在感は雲泥の差だと思います。
あくまで、私個人の見解ですが、今回のサミットでは、日本が3年半行ってきたアベノミクス「三本の矢」を世界規模で展開していきたいとアピールしたのです。
為替に関しては、すでにG20での為替の安定が国際経済全体に資することを確認しましたし、規制改革、構造改革なども、税の分野など動けるところは動き始めています
しかし財政出動の部分は各国での方向が整理されていなかったと思います。供給力は十分なのに、それに見合う需要がないので、全体の経済がうまく回らない。財政出動を呼び水として、需要を創り出し、世界的な規模で回そうというものです。

■日本の本気度を示す「根回し」外交
安倍総理はこの点を中心として、サミット前に他の6か国の首脳全員に会って、協力要請(根回し)しました。
私も安倍総理がフランスのオランド大統領に会った翌日、フランスのサパン財務大臣と面会の機会をいただき、改めてサミットでの協力依頼をさせていただきましたが、こういう作業を今までどこまでやって来たのでしょうか。
安倍総理が明確な政策を示し続けていること、しかも「私はこれをやりません」「これには反対です」と列挙するのではなく、行うべき目標を具体的に掲げ続けているわけです。加えて、3年半にわたり継続していること、そして、サミットにも4回参加しているということも大変大きいと思います。

■財務大臣会合の成果
仙台で行われたG7サミットの財務大臣・中央銀行総裁会合には、私も一部参加させてもらいました。
世界経済は、緩やかに回復に向かってはいるけれど、中国経済の行方やテロ、難民の動きなど、経済を脅かす不確実性は高まっている、という共通の認識のもとに議論が展開しました。
キーワードとしては、「為替の安定」「IMF資金の重要性」「質の高いインフラ投資」「国際的租税回避に対処」「税の透明化に非協力的な国のブラックリスト化」「テロ資金対策」などが挙げられました。
伊勢・志摩サミットにおいては、特に新興国の経済状況が石油価格の下落などの要因からかなり落ち込んできていたことを、具体的な数値などを提示して議論されましたが、基本的には仙台財相会議を踏まえたものとなったと思います。
G7が「質の高いインフラ投資」「保健」及び「女性」を優先アジェンダとして掲げて国際社会を主導していくこと、金融、財政、構造改革の「三本の矢」のアプローチが重要であること、海洋安全保障や北朝鮮問題など、アジアの議題を重点に、テロ、暴力的過激主義や難民問題などにも取り組んでいくことなどで一致しました。
この安保議論に関しても、安倍総理が主導したとの評価をいただくことができました。

■オバマ大統領の広島訪問
また、サミット後にオバマ大統領が現職の大統領として初めて広島を訪問したことも、世界的に大変強い平和へのメッセージを出すことができたと思います。
いろいろ批判をする人はいますが、歴史の節目となる訪問であったことを率直に受け止めて、ここで発出した「核なき世界」への取り組みについて、全力を挙げていくべきと考えています。
明らかにものすごいスピードで国際社会は変化していますが、安倍総理はそのスピードに決して乗り遅れることなく、手を打ちつつあると私は思います。
こういう時期に財務副大臣として仕事をさせてもらえることに感謝し、同時にスピード感のある政治を一緒に支えていくことを強く肝に銘じながら、職務に励んでいきたいと思います。