28年度税制改正の目玉 ~ 副大臣から見た税制改正 ~

2016年02月01日

■軽減税率
昨年末は、軽減税率制度が大きな課題でした。最終的に、民主党、自民党、公明党で交した三党合意を踏まえて制定された税制抜本改革法の中で選択肢として挙げていた「総合合算制度」「給付付き税額控除」「軽減税率」の3つの緩和措置の中から「軽減税率」の制度を選び、その対象を①酒類及び外食を除く飲食料品②新聞の定期購読料としました。
3つの選択肢にはそれぞれメリットデメリットがあります。
軽減税率は、対象品の線引きの難しさが言われています。今、財務省の主税局は全国の関係者にアンケートや提言を求めており、その状況を勘案しながら、混乱少なく、来年4月には準備が間に合うであろう線引きの方法を今国会の審議に合わせ急ピッチで作成中です。
この軽減税率は昨年12月に発表された「平成28年度与党税制改正大綱」に示されています。そしてこの大綱は、政府が出しているものではなく、名前にある通り与党、つまり自民党と公明党が決めたもので、この内容に沿って税制が法案化され、実施されていくわけです。

■法人税改革
今回のもう一つの注目が「成長志向の法人税改革」でした。
「課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる」という考え方のもと、法人課税をより広く負担を分かち合う構造へと改革し、「稼ぐ力」のある企業等の税負担を軽減する改正となりました。
法人実効税率が平成28年度29.97%、平成30年度29.74%と20%台に下がります。「大企業ばかり税金を下げて優遇するのか」との批判の声もあるようですが、これは当たっておらず、この減税分の補填はやはり企業に埋めてもらうことになっています。
設備投資促進税制、減価償却の見直しや欠損金繰越控除の更なる見直し、そして法人事業税の外形標準課税の拡大などの手法です。
特に後の2つに関しては、資本金1億円以上の“大法人”が対象です。経団連などの経済界とも対話を行い、彼らからの要望もあっての制度改正であり、逆に政府からは設備投資の増加や賃金アップなどをお願いしているわけです。

■その他の税制改正の目玉
この他にも実はいろいろあります。例えば3世代が同居できるように住宅をリフォームした場合の税額控除制度や、国立大学法人等の学生向けの就学支援事業に充てられる個人寄附に対しての税額控除制度を導入します。
また、公益法人等への寄附に関しても税額控除の対象となるために必要な寄附者数の要件を事業規模に応じて緩和しています。
医療費を抑えていくという面からは、スイッチOTC医薬品(医療用から転用され、薬屋さんの店頭で買えるようになった薬)の購入費用が12,000円を超えた場合には、その超えた分を所得控除(8.8万円/年を限度)することにしています(控除を受ける方が健康増進や病気予防への取組を行っていることが要件となりますが)。
そして、社会改善のためにもいくつかの制度がこの大綱の中で示されています。
企業版ふるさと納税と言われるものもその一つです。国が認定した、地方公共団体(東京等を除く)が行う「効果の高い地方創生事業」に対して企業が寄附すると寄附金額の約6割の負担が軽減されることになります。
また、訪日外国人観光客の「爆買い」で注目されている免税制度においても、免税販売の対象となる最低購入金額の引き下げなどが組み込まれています。
空き家対策では、相続で発生した空き家(旧耐震基準しか満たしていないもの)を取り壊したり、リフォームして売却しやすくする制度もあります。
その他にも、国際課税ルールの再構築復興支援のための取組自動車取得税を廃止するとともに環境性能割を導入すること、また、納税を色々な方法で協力してもらうために、インターネット上でのクレジットカードによる国税の納付も可能にすることなども含まれています。

■28年度税制改正のコンセプト
今回の税制改正の基本的な考え方は、経済の好循環を確実なものとする、消費税率引上げに伴う低所得者への配慮、少子化対策・教育再生や地方創生等の推進、グローバルビジネスへの国際課税ルール対応、復興支援等です。
その具体策として挙げた上記の中で法律の改正が必要なものが今通常国会に提出されて、予算関連法案として財務金融委員会で審議されることになります。
与党が提案していることを法案化するものなので、形から言えば、衆・参で与党が多数を持つ現在の国会で否決されることはないことにはなっているのですが、何があるかわからないですので、いろいろな方々の声も聞きつつ、気を引き締めて臨んでいきたいと思っています。

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