予算編成の時期に ~ 来年度予算と年度内補正予算 ~

2015年12月01日

12月は予算編成の時期です。今年は主計局担当の副大臣として財務省側、内側から予算編成に関わります。
予算編成に関しては、わかっていたようで正確には理解をしていなかったことがいくつかあります。
例えば、内閣府と経済財政諮問会議と財務省の関係。

■それぞれの役割
経済財政諮問会議は「骨太の方針」という予算編成の指針を決定します。民間委員が辛口、かつ大胆な提言をされたりすることでも注目を浴びますが、この会議の事務局を担っているのが内閣府です。
予算は財務省で編成しますから、毎年予算編成前に閣議決定している「予算編成の基本方針」は財務省が作成するのかと思っていましたが、違うんです。
経済財政諮問会議での議論や「骨太の方針」を確実に予算に反映させるため、事務局である内閣府が作成し、財務省はこの基本方針に沿って予算を編成するのです。
簡単に言うと、財務省が勝手な思惑で勝手に予算を組まないように、タガをはめるという意味合いなのかもしれませんし、一種のチェック機能を持たせているとも考えられます。

■予算編成の基本方針
来年度の基本方針は、11月27日に閣議決定されました。
「経済再生」「歳出改革」「歳入改革」を3本柱とし、“1億総活躍社会”“TPP”などの対策を進めることとしています。自民党の政務調査会などでの議論では、「財政健全化という面ばかりが強調されている」「経済再生がなければ、財政再建はできないのに、経済再生についての記述が少ない」という趣旨の指摘が相次ぎ、これらの声を反映させて修文を行い「平成28年度予算編成の基本方針」が完成しました。

■緊急施策に対応する補正予算
また同日に、安倍総理から「補正予算の編成指示」が出ました。実は補正予算は毎年必ず編成されています。年度当初の予測よりも税収が上がったり下がったり、歳出面でも災害の有無などにより予想よりも出たり出なかったりがあるので、年度の終わりに修正するのです。しかし、そういう種類の「補正予算」は注目されません。注目されるのは「経済対策」としての“補正”が組まれるかどうかです。
先日の総理の指示は、「公共事業を中心に」といった切り口からのものではなく、「一億総活躍社会の実現」「TPP対策」において急を要する施策に対応するようにという中身です。指示の中には保育所、介護施設の整備、低所得高齢者世帯への臨時給付金、攻めの農林水産業に資する施策、災害復旧その他、緊急性の高い経費など、具体的なものが多く含まれています。

■プライマリーバランスと補正予算
そして最後に、平成27年度のプライマリーバランス(基礎的財政収支)の赤字半減目標を堅持せよという項目があります。この項目があるので、補正予算の上限が決められることになり、財務省としてはまだ決定していませんが、新聞報道などには「3兆円強」などと書かれている根拠となっています。

■「経済・財政再生計画」のスタート
今年はこの補正予算案を12月の半ば過ぎに、そして28年4月からの当初予算については12月24日をめどに仕上げたいということで、主計局中心に現場のみなさんもがんばっています。
平成28年度の予算は、6月に出された「経済・財政再生計画」の5ヵ年計画の1年目に当たります。黙っていても毎年膨れ上がる社会保障費を、毎年約2,000億円圧縮し、3年間で1.5~1.6兆円の伸びに抑えたいという目標が書かれています。
赤字国債を発行して、どんどん予算を組むことが許されるのであれば、多くの国民の期待に応えられてよいのですが、そうはいきません。知恵を出し努力もし、今までより効率的に、同等かそれ以上の結果が残せる手法の開拓が求められています。主計官のみなさんも財政制度等審議会で有識者から意見をいただきながら、その方策を毎年考えています。
何とか歳出と歳入のバランスを取りつつも、経済の好循環を実現していく。特に地方への好循環が波及していく方法を模索し、たどり着き、「骨太の方針」の目標を達成したいと思います。