安全保障法制の必要性 ~ 日本を取り巻く環境の変化と対応 ~

2015年06月01日

衆院平和安全法制特別委員会(平安特)で、安全保障関連法案の審議が行われています。
個別の内容を詳しく記述するには、紙面があまりにも足りないので、今回はこの法案に関しての私の考え方や法案の必要性などを書かせていただきます。

■国際環境の変化と「大国」日本の役割
これらの法案の成立を必要と考える背景には、国際環境の変化があります。
米ソ対立の冷戦時代が終わり、21世紀となり、今や一国で自国の安全を確保できるという国はありません。
また、経済的側面から見ても、各国と協調・協力する体制は絶対不可欠です。そしてその中で発言力を高め、信頼を得るためには、国際社会で期待される役割や仕事を担っていくことがことが必要です。
日本の経済力は世界に知られていますが、実は人口では国連加盟国193ケ国中10番目、狭い・小さいと思っている面積でも60番目、EEZを含む海洋面積では6位という「大国」なのです。
平成3年の湾岸戦争では、日本は約130億ドルの財政支援を行いながら、国際社会から「汗をかかない国」という大批判を受けました。すでにこの時、日本は国際社会の中で「汗をかくべき(人的支援を行うべき)」という役割を求められていたのです。
その反省に立ち、PKO活動やインド洋での給油活動、イラクでの復興支援活動などを日本は行い、国際社会の期待に応えてきました。今後、より複雑化していく国際情勢の中で、求められる役割も多様化していきます。そのための法整備は必要だと思います。
もう一つの環境の変化は、皆さんも感じていると思いますが、中国の威圧的な海洋進出、朝鮮半島の緊張など、周辺国においての状況の緊迫化です。中国の毎年2ケタ台の軍備拡張が象徴的ですが、ここまでの事態は今まではありませんでした。
この委員会で維新の党の松野代表が「何か危機が迫っているのか、なぜ法整備を急ぐ必要があるのか?」と質問していましたが、私はそのような質問をしている場合ではないと認識しています。
また、ISILを挙げるまでもなく、治安の悪化、テロの増加もあります。アルジェリアでの人質事件、チュニジアでの観光客への無差別テロ、日本人の人質殺害など、まさしく今はどこで何が起きるかわからない状況となってきています。
今まで日本は対応できない事態が起こるたびに、後追い的に法整備をしてきましたが、これでは取り返しのつかないことになる恐れも高まってきています。そこで想定しうる限りのあらゆる事態に対し、柔軟な対応を可能にする法案を整備しようということで今回の法案が提出されました

■法案が複雑な理由
今回、安倍総理をはじめ、各大臣も国民の皆さんにご理解いただけるよう、いつも以上に丁寧な答弁を続けています。しかし、わかりにくいと思われる方も多いのではないでしょうか。
それは現実に想定される事態が複雑である上に、丁寧にケースを分けて分類し、同時に、暴走なきよう歯止めを工夫してきたためです。
例えば、集団的自衛権に関しても、極めて限定的に運用することになっています。「自衛権行使の新3要件」、つまり、国民の権利が根底から覆される明白な危険があり、武力行使以外の手段がない中において必要最小限度の武力を行使できるという縛りをしっかりかけているわけです。
また、議論を複雑にしているのは、法令上の話と実際の政策とをごちゃごちゃに質疑されている点にもあります。法令上としては、歯止めを機能させる一方で、想定外のどのような事案にも対応できるようにしておく必要があります。
例えば、新3要件に合致すれば、中東地域においても集団的自衛権を行使できるよう法令上は組み立てています。そこで、中には「中東まで派兵をし、戦闘させる」との批判をする人がいますが、実際の政策上では、ホルムズ海峡において相手のいない所でシーレーン確保のための機雷掃海しか念頭にない、と安倍総理は答弁しています。
実際に機能して日本の安全を確かなものにするためには、どうしても法律的には、抽象的に表現しなければならないところがあります。そこの判断はどうなんだという点が委員会での一つの論点でありますが、総理や担当大臣の答弁を組み合わせることで、具体的な姿を国民にも理解いただけるのではないかと思います。
当然、今後の運用、解釈などもこれら答弁に沿って行われることになります。

■政府与党と国民のすべきこと
しかし、法や制度はすべていかに使うかということが同時に大切です。どんなにいい制度を作っても、運用がいい加減では何の意味もありません。
今回の一連の安全保障法制もまさしくそうだと思います。
私たち与党、そして政府に入った政治家が、現実の国際情勢をしっかり踏まえ、今回の法制の意図する「抑止力」を十分に発揮し、国民の安全を高めようと努力していかねばならないと思います。
同時に、国民も今回の法制を適切に運用することができる政党に政権をゆだねるために、しっかりと投票という形で意思を表明する必要があると思います。

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