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国土交通部会長の仕事 ~ 「最初のステップ」としての部会の役割~

2015年04月13日

国土交通部会長として半年以上が過ぎました。党の中の国土交通省関係の政策の取りまとめ役、「党の機関決定における第一段階」などと私の役職を表現していますが、昨年の党の税制調査会(以降、税調)でテーマとなった住宅関係税制を例として、実際の仕事の中身をお伝えしてみたいと思います。

■税調における部会長の役割
様々な政策の中で、税に関するものは党の税調で決めます。そのため、税調は業界団体の方々などが出席します。
税調に臨む前に、国土交通部会では今年どのような内容にするかを決めます。党の職員、役所の方などとも相談し、部会への提案内容をまとめます。
住宅関連の今回の目玉は、消費税10%導入時の「住宅贈与税の非課税枠3000万円までの拡大」でした。
他にも住宅ローン減税の拡充や「住まい給付金」の延長、中古住宅を流通させる際の不動産取得税の軽減措置などがあります。
消費税を8%にした結果、特に戸建ての注文数が減り、業界からSOSが出ていたのです。アベノミクス、地方創生の観点からも対策が求められていました。
党の税調は、平場(どの議員でも参加できる会議)でそれぞれの役所に関する税制に関して、各部会で決めた提案を受けます。ここで提案されないと、税調の議論の俎上に上らないので、大変大事な手続きで、これが部会長の一番最初の役目です。
次に所属議員の様々な意見を聞き、その後国税は財務省、地方税は総務省とのやり取りが行われます。
例えば、目玉の住宅贈与税の場合、まず「3000万円の非課税枠など例がない」「住宅着工はすでに下げ止まっている」「金持ち優遇ではないか」など、切り返して来ます。
そこで部会からは、「10%の反動減に対抗しうるには前例のないインパクトが必要」「今の問題は持ち家着工が落ち込んでいること」と説明し、金持ち優遇という批判には「受け取る人は金持ちではないし、また贈与する側も決して少なくない人数が相当の財産を持っている」そして「経済は循環であり、その循環を活性化させるために、エネルギーを注入する必要がある。その直接的な投入口は、高齢者の子どもたちへの住宅資金であるが、それは回りまわって必ず国民のところにプラスで戻ってくるので、一部の人だけのためではない」などと説明をします。
「税制は議会制民主主義である」とは安倍総理の発言でしたが、まさしくその通りで、だからこそまさに国民的議論に耐えうる理屈が必要になってくるのです。
平場を閉じた後、幹部が平場での議論を踏まえ、税調としての方針を決めます。それを平場で一度発表し、再び意見を聞きます。
「認めない」という幹部からの答えに対し、「こういう理由で認めるべきだ」という意見が多くの議員から出ると、もう一度幹部に差し戻して検討することになります。反対が出ないとそこで検討が終わってしまい、部会で決めたことが実現できなくなってしまうので、部会長はそれを指摘しないといけません。ここも大事な役目です。
また、大きなインパクトのある項目は特別に抜き出して議論します。これらの項目が平場で議論されている時には、漏れを防ぐため、まず各部会長に発言させて、それから一般の議員発言に移ります。
最終的に決定は役所と幹部で決めますが、幹部への要請や役所への依頼、また平場で適切な発言を関心ある議員にしてもらうための勉強会の開催など、部会長も環境づくりに動きます。
今回は野田税調会長も額賀小委員長(平場の責任者)も国土交通関係の税には基本的にご理解いただいていたので、私は助かりました。
当然その間、議論となる業界や団体などから、なぜ必要かの説明も受けます。初めて聞く話もあり、大変勉強になります。
今回は税調を例に説明してみましたが、部会というのは「これを国会(もしくは税調)に出していいですか」など、了承をもらう場でもあります。
極論を言えば、部会を開かなければ、次のステップへは進めないということでもあります。部会長にその権限が与えられているからこそ、仕事ができるのです。