縦割り行政の克服~内閣府、内閣官房の新しい試み~

2014年09月01日

■増え続ける内閣府・内閣官房の仕事
「内閣府・内閣官房の仕事が多すぎるので、見直すべきだ」と言われ、見直しが進められました。しかし、あまり減らすことができず、その上、「まち・ひと・しごと創生本部」なども官邸内に置かれ、ますます業務が増えていくと思われます。
ではなぜこんなにも増えるのか?
それは本気で縦割り行政を乗り越えたい、と思っているからです。
先月27日に「まち・ひと・しごと創生本部」の発足に向け懇談会が行われましたが、そこでも元・岩手県知事で元・総務大臣の増田寛也氏が縦割り行政の撤廃を提言しています。基本的には各省庁は横並びであり、同時に、担当する仕事も割り振りをされていますので、他省庁の仕事まで口出しをすることは越権行為となります。権限がないのに、施策決定や実施に影響を与えては責任の所在があいまいになり、決定プロセスが不透明化することも懸念されるます。
しかし一方、現在は一つの省庁では話が完結しない案件が多くなっています。そこに縦割り行政の弊害が見えます。それを克服するために「各省庁を一つのテーマの下に協力させる仕組み」が、内閣官房に事務局を置き、内閣府や責任の所在を明確にするという方法です。
現在動いているわかりやすい例を挙げたいと思います。

■省庁連携の事例
私が以前から指摘してきたことに、「道の駅」の一層の活用というのがあります。元々道の駅は、地域交流センターの田中栄活さんなどが提唱したもので、私が松下政経塾生時代に熊本県庁で研修していた平成2~3年ごろ、しきりに「道の駅構想」を語り合ったものでした。「高速道路にあるSA、PAの休憩機能を一般国道などの主要幹線に」という建設省の事業としてのスタートでしたが、今はまちの特産物や観光資源を活かして、人を呼び、地域に仕事を産み出す核へと進化し、103ヶ所から1030ヶ所へと増えてきました。
今回、地方創生の拠点として、関係機関が連携して総合的に支援をして行こうということになりました。先駆的な取り組みを、当初は支援をし、いくつもモデルを具体的に作り、全国でこれらの事例を参考にしてもらって進めていこうというものです。

■道の駅の機能
道の駅の機能を大きく2つに分けると、一つは地域外から活力を呼ぶ「ゲートウェイ型」、二つ目は地域の元気を創る「地域センター型」になります。
前者においては、観光総合窓口機能を挙げています。今年10月から免税制度が変わるので、それに合わせて海外からの観光客も地場産品の消費者として対象にできるようになりました。
また多言語対応フリー Wi-Fi、海外対応のATMを置くなど、海外の人が何かあったら、とにかく道の駅に寄ってみるという場所にして、観光庁とも連携します。当然、日本人にも観光情報を提供し、宿泊の予約が取れるなどの場として利用してもらいます。
その他、地方に移住したいという人の最初の相談窓口として、空き家やふるさと納税の情報提供なども挙げられています。
後者としては、特産品などを作る産業振興、地域福祉、防災などが考えられます。特に福祉というのは新しい発想だと思いますが、診療所や高齢者対応施設、役場機能を持ってくることにより、利便性が増すというのは間違いないと思います。地域公共交通ネットワーク、つまり地方ではバスなどですが、これらの乗り継ぎ拠点にも設定すれば、人の集まる賑わいの場の創出にもつながるものと考えます。

■必要なのは政治家、政務者の意思
今ざっと挙げただけでも、総務省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、観光庁、厚生労働省などがかかわっていますし、その上、税制まで視野に入れれば財務省、防災機能は内閣府と、幅広くなっています。これらを建設省が前身の国土交通省が全部やるのは困難です。そこで、今回はこれらを「まち・ひと・しごと創生本部」で調整・協力を含めて行うわけです。このような案件が多くなっているので、内閣府、官邸が忙しくなっています。
これらはうまく機能すればすばらしい組織になりますが、一旦動かないとなると、どの省庁も自分だけの業務ではないので、様子見などにも陥りかねません。なので、私たち政治家、そして行政の大臣、副大臣、政務官といった政務につく人間の強い意思が大変必要になると思います。
政務官を経験させてもらって改めてそのことを実感させてもらいました。それを担えるよう、より精進していきたいと思います。

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