日本再興戦略のために~「過去最大の予算」が意味するもの~

2014年01月01日

昨年末には訪日外国人観光客1,000万人達成、韓国軍への弾薬提供や総理の靖国神社参拝、沖縄知事の辺野古周辺の埋め立て承認など、立て続けに大きなニュースが飛び込んできました。
その陰となってしまった感もありますが、12月24日に来年度の予算案原案が閣議決定されました。総額95兆8,823億円と、過去最大となりました。

■「過去最大」の実情
12月25日付けの4社の新聞では、どれも私たちの意識を伝えてくれていないなぁと感じました。
特に公共事業関係費に関しては、「昨年度比12.9%の増」となっていて、提示されている表だけ見れば、無茶苦茶に増やしたと感じます。しかし、実際はある特別会計を廃止して行革を進めたために、昨年まで一般会計に計上していなかった地方の直轄事業負担金などを上げることになったもので、まったく実態を反映したものではありません。実態を伝えるならば、昨年度と同じ条件でどれだけ増減したかを示さないと意味がありません。
国土交通省の公共事業関係費で言えば、その新計上の分を差し引き、3%の消費増税分を差し引くと、トントンか数億円増となり、実際に行える事業規模は今年とほぼ同程度というのが実態です。

■成長戦略の裏づけ
また新聞には「大盤振る舞い」などという見出しが見受けられましたが、「なぜか?」というところまで踏み込んで報道されていません。
日本は長いデフレ経済下から抜け出そうとしています。しかし、同時に、財務再建のための消費増税もある。これを両方とも実現させるという、世界でも成功例がないような難題に挑戦することを総理は決めたのです。
決めた以上は、成功させなくてはならない。様々な制約の中で、精一杯メリハリをつけて編成したのが今年の予算です。
そのメリハリとは、昨年6月に安倍政権が発表した日本の成長戦略「日本再興戦略」です。
16項目に分け、その中をまた細分化し、その段階でそれぞれの年限と数値目標まで書き入れたものになっています。この仕分けに基づき、それぞれの分野が今後日本経済を引っ張っていく産業に成長していくよう、政策的にも支援していくことになります。
その裏づけが予算であり、数値目標達成のために全力を挙げていかねばなりません。
私が政務官をしている国土交通省でも、防災・減災対策、社会資本の老朽化対策、観光立国、インフラ輸出、海上保安庁などがメリハリの部分となりました。
防災・減災も老朽化対策も、実は、日本は有数のノウハウを持っており、これをパッケージにして商品化すれば、貴重なインフラ輸出の一翼を担える分野です。
新聞の報道では、「消費が落ち込むであろう来年の夏に、経済を下支えするためだけの公共事業予算増」と解説しているものもありますが、その狙いももちろん、それだけに終わらせない波及効果を私たちは目論んでいます。

■黒字化への第一歩
実は、プライマリーバランス(政策的経費を税収などの本来の収入で賄えるかという基礎的財政収支)は、今年度の23兆2千億円の赤字から18兆円の赤字に減り、5兆2千億円も改善しました。このことは平成32年にこれを黒字にするという大きな、しかも難しい目標に向けての第一歩です。
新規赤字国債発行額も民主党政権のときより3兆円減らして、41.2兆円と抑えています。          
経済が順調にいくことによる税収増が上に乗れば、それに加えよりよい結果を示せることになります。
とにかく3本の矢の3本目、成長戦略を中心に景気の中折れを防ぐこと、これができるかどうか、来年の日本経済の大きな課題であり、それを乗り切るために政府は全力を挙げていきます。