安倍政権の成長戦略~日本の強みを生かすインフラ輸出~

2013年06月01日

 アベノミクスと名付けられた安倍内閣の経済対策ですが、一本目の矢となる「大胆な金融政策」と二本目の「機動的な財政政策」はすでに放たれました。
今注目されているのは三本目の矢である「成長戦略」の3本目となる、「民間投資を喚起する成長戦略」です。
これについても安倍総理は4/19、5/17とスピーチをおこない、「攻めの農林水産業」「世界に勝てる大学改革」などの具体的なテーマに触れると同時に、横浜市の2つの保育施設を視察するなどしてアピールをしています。
全体の政策、マクロ政策を経済財政諮問会議で「骨太の方針」に取り纏めていき、それぞれの施策はミクロ政策として産業競争力会議で取り上げて発表していく、という形で進んでいます。
具体的な形で何一つ出せなかった前政権とは異なり、私が政務官を勤める国土交通省に関係する分野でも、「観光立国」「社会資本の老朽化対策のノウハウのパッケージ化」「インフラ輸出」などが既にテーマとなっています。
特にインフラの輸出は日本の国家としての外交戦略とも密接につながっているもので、今後重要なポイントになると私は思っています。安倍総理のスピーチの中でも、2020年には海外からの受注額を現在の10兆円から30兆円に目指すとされました。

 ■「インフラ輸出」のポテンシャル
インフラというと、橋や道路、鉄道や空港などを思い浮かべますが、今はもっと幅広くなっています。医療分野、宇宙分野、農業分野、海洋開発分野、エコシティ分野、郵便分野そして東日本大震災で改めて注目されている防災分野などが新たなフロンティアとして支援されることになります。
そして今、改めて評価されている点が、インフラそのものだけでなく、活用におけるソフトの部分です。郵便などもミャンマーが日本の制度の導入を検討しておりますが、ハードと同時にソフトが重要です。例えば防災インフラも、住民の災害時の適切な行動や対応とワンセットで初めて、当初想定をしていた成果が出ることになります。
また、新幹線をはじめとする運行システムや空港の管制技術など、日本の運用面でのノウハウは大変評価されていて、それも商品として日本のカードの一つとなりうるだけの価値を高めていけます。
水の分野でも新技術を用いて、特にアジア各地域の衛生環境向上に大変貢献できています。この分野は中小・中堅企業が活躍しているのが特徴でもあります。
今までも様々行われてきた経済活動としてのインフラ輸出ですが、これを政府が戦略として取り扱うことにより、もっと大きな波及効果を生むということを今まで以上に重視すべきなのです。

 ■インフラ輸出の意義
日本にとって、経済活動を広げると同時に、その結果、その国や地域に対して国際貢献ができます。日本との関係改善や良好な関係を維持していくことで、エネルギーや鉱物資源の安定的かつ安価な供給にもつながります。
エチオピアでは、「カイゼン(改善)」という言葉が通用するようになるなど、日本や日本人の文化や考え方が広まることで、国際社会でも受け入れてもらいやすくなっていきます。そして今回、安倍総理が訪問したモンゴルやミャンマーのように、対中国や対北朝鮮をも視野に入れた外交カードにもなります。
一方で、人材育成や現地での危機管理対応などが課題として挙げられていますが、いずれにせよインフラシステム輸出は投資額が大きく、投資回収に時間がかかるだけでなく、相手国政府の影響力が強いためカントリーリスクを背負うものです。
日本の国益を見据えながら、官民一体となって取り組んでいくことが必要です。その旗振り役を安倍政権が総理を中心にしっかりと果たしていきたいと思います。