復興政務官として直面している、現場の課題 ②

2013年05月01日

私が復興庁の政務官として主に担当する被災地は青森県と岩手県ですが、そこの方々から伺うお話の中で最近気になるのは、「住宅確保と街づくりのためにいろいろバタバタ事業をしているけれど、どんな街や地域を目指すのか、そこがわからない」という言葉です。

■「復旧」と「復興」の分岐点
復興庁内部に復興推進委員会があり、「新しい東北」「加速化」をキーワードに有識者と官邸を中心に検討を進めています。
その委員の一人である岩手大学の岩渕先生は「今までの道を戻るだけの『復旧』に進み始めると、新しい東北という創造的な道へつながる『復興』へは進めなくなる」という趣旨のことを書かれています。復旧への道は一度来た道だからたどりやすいが、その道の先は過疎と高齢化が問題となる地域です。そのたどりやすさで一度進み始めてしまうと、それ以外の街づくりを選択できなくなる、というのです。
前回の本紙でも指摘したように、そのことを現場に出ると実感します。だからこそ、加速化と同時に、この時点でもう一度計画を見直していく勇気を持つことも必要な場合があると思います。

■「新しい東北」の議論
4月25日に第9回の復興推進委員会が行われました。私は「新しい東北」、つまり新たなビジョンや方向性について委員会でいかなる議論がなされるのかが大事だと思い、根本復興大臣に直訴して出席させてもらいました(その際の資料や議事録などは、用意できたものから復興庁のHPでもご覧いただけます)。
今回はまだ新しい東北の「新しさ」の部分、つまり今までとは違った魅力についての議論や新たなビジョンについての議論にはなりませんでしたが、複数の委員からそういった検討が必要であるという提起がなされました。
どうしても喫緊の課題、つまり人や資材、働き口の不足などという話になりますが、それらの解決を模索することも、その「新しさ」をどう実現するのか、ということと密接に連関するのです。
私が見たところ、「新しい東北」に関する議論はどこもそれを担当していないのではないか、もしくは十分な作業がなされていないのではないか、と感じざるを得ない状況です。
そこで私は根本大臣に「被災地にいる、もしくは被災地をよく知っている熱い思いを持った30代を中心としたメンバーからアイデアを募ったらどうか、そしてその作業を私にやらせてもらえないか」と、これまた直談判しました。
この原稿を書いている段階ではまだ復興庁としてその作業をするか否かは決まっていませんが、私はいくつかの点でこの作業の必要性を感じています。

■なぜ若い世代の声が必要か
一つには、被災地から最も流出しているのが30代を中心とする世代だからです。彼らを引き留め、または戻って来てもらうためには、その世代に魅力的な取り組みが求められます。であれば、同世代が一人また一人と被災地からいなくなっていることに最も危機感を持っているメンバーの感性でアイデアを出してもらった方がいいのです。
二つ目には、「新しい魅力」という今までにない発想が求められるからです。創造です。その感性は若い世代の方が研ぎ澄まされています。
そして三つ目。彼らの思いや努力で実際に制度ができ、実際に社会が変わるんだという実感を持ってもらうことで、自信を持ってヤル気モードを全開にして欲しいからです。
彼らは現場にいます。いろいろなことを感じています。しかし今まで十分に彼らのその思いを吸い上げてこられなかったのではないでしょうか。
今までも、もちろんこれからも「市町村-県-復興庁」という基本的な流れで地元の要望は上がることになります。
恐らく今までは市町村職員があまりにも忙し過ぎて、若い世代のアイデアや意見が市町村のアンテナに引っかからなかったのでしょう。
そして若い世代の彼らもそこにある種の虚しさを感じたのかもしれません。
また、こうした視点を持つことは、復興支援を議員としてではなく、一国民として行ってきた経験を持つ私の役割ではないかと思うようになりました。
だから是非この企画は形にしたい、そこから可能であれば一つでもアイデアを制度にして、実際に実現していきたいと強く思っています。

「復興政務官として直面している現場の課題 ①」は4月の「今月の主張」をご覧ください
<お知らせ>
「復興政務官の部屋」をHPにオープン
政府として復興をどう進めているのか、そのなかで復興大臣政務官として私がどう考え、動いているのかをお伝えします。ぜひ、ご覧ください。
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