2011年 1月)今、政権与党のなすべきこととは

2011年01月01日

~今回の予算編成の”盲点”にみる与党の政策~

■自民党が反対するワケ

 「財源なき歳出拡大」と新聞の見出しに書かれる、過去最大規模の予算が年末に編成されました。92.4兆円超です。
 このバラマキ型では昨年よりも圧縮することはできないのでは?と思っていましたが、残念ながらその通りとなってしまいました。この予算には以下のような心配事が内包されています。

  1. 初めて予算編成をした前回に引き続き、今回も2年連続で税収より赤字国債発行額が上回ったこと。こんなことは自民党時代には一度もありませんでした。
  2. 社会保障費が28兆7079億円と、これまた過去最大規模となったこと。
  3. 自民党時代には、2011年度には黒字化する目標を立てていた「プライマリーバランス」が、今回の予算では、22兆7489億円もの赤字だということ。
  4. そして何より、7兆円もの歳入欠陥を、1回限りしか使えない「埋蔵金」で埋めて、しかも使い切ってしまったこと。次回の予算ではもう使えないのはもちろんのこと、特別会計本来の使用目的で使う必要が起きても、もう資金がなく、下手をすると一般会計でまかなわなければいけなくなること。

 また、民主党が約束した「赤字国債発行額44兆円」には、何の意味もありません。この44兆円の根拠は、直前の麻生政権時の1年間で発行した赤字国債額です。
 しかし実は、この時の当初、一般会計予算では赤字国債額は34兆円です。その後、100年に一度と言われたリーマン・ショックを受けて、100年に1回の補正予算を組み、その時10兆円を発行したのです。ですから、本来は麻生政権の時の予算と比較するなら34兆円です。ここにも、大きなまやかしがあります。

■自民党が求めているもの

 何より私たち自民党が今の政権に求めているのは、中身のある財政健全化策を出すことです。この44兆円を守っていれば財政再建ができる、というのであれば何も言いません。しかし、結果、プライマリーバランスが22兆円も赤字になるのでは、賛成できるわけがありません。

 こんな無意味な健全化計画はやめて、意味のあるものを出せ、というのが自民党が国会に提出した「財政健全化法案」です。なのに、この法案を無視しておいて、予算に協力しろと言われても、それって、順序が違うのでは?と思いませんか。
 まず、ここまで崩壊した民主党のマニフェストは全面撤回をし、新たなものをつくり、それにより国民の審判をもう一度受けるべきだと私たちは主張しています。

 16.8兆円にも上るバラマキ型政策の財源は、財政のムダをなくすことによって生みだすと民主党は説明して来ました。しかし昨年は0.7兆円、今年はわずか0.3兆円しかムダを見いだせなかったのですから、彼らのマニフェストの前提がすでに崩壊しているわけです。ということは、あのマニフェストで政権を任された党が執政するということ自体がもう無理なのです。

 消費税問題もそう。「4年間は議論さえしない」と言っていましたが、選挙途中で「議論だけはする」に変わり、今はなんと「今年半ばまでには成案を得る」に変わってきて、この増税に野党も巻き込もうと呼び掛けまでする始末。

 普天間の問題、暫定税率撤廃を撤回した件、八ツ場ダム中止取りやめの件・・・と枚挙にいとまがないのですから、まずはこの顛末を国民にお詫びと説明をし、けじめをつけることが必要ではないでしょうか。

 この実効性がないバラマキ政策を撤回することが、私たち野党として予算案に賛成する条件です。無駄遣いを放置して、財政破綻に向かうような予算案に賛成などできませんから。

 先日の博報堂の調査では、6月に支給された「子ども手当」を子どものために使った人は13.3%とありました。意識して貯金、もしくは意識せずとも使っていない人が68%。当初の目論見から大きく外れています。それもそのはず。3歳未満の支給額に関して、家庭によっては月当たり19,000円の増税になるので、20,000円支給をしないとマイナスになってしまいます。そんな事を聞いたら、安心して子どものために使えるわけがありません。

 もう制度そのものが目的を達成できないものになっているのですから、それを止めさせることが健全野党としての務めです。
 以上述べてきた通り、今回の予算に対して中身のある財政健全化計画を提出し、マニフェストについては総括し、新たなものをつくり、ムダな政策を撤回することが予算案に賛成をしていく上でまず必要だと思います。
 そして自民党も、昨年末の補正予算で対案を出したように、今回も対案を国会に提出すべきであることは言うまでもありません。