2010年3月)その予算編成、大丈夫?

2010年03月09日

中長期的な展望のない日本経済にあなたの生活を任せますか?

■鳩山内閣の予算編成への不安

毎年2、3月は衆・参議院で次年度の予算審議を行う時期です。鳩山内閣初めての予算編成ですが、私から見て心配事が

  • 予算額が過去最大の92兆円超
  • 当初予算比較で国債発行額33%増(21年度比)公債依存度が過去最高の48%
  • デフレ宣言をしても、対応策を発表しないため、先行き不安な金融の現状

など、いくつもあります。
菅直人大臣と日銀総裁の間で、デフレ対策の責任のなすり付け合いをしている場合ではありません。

こうした中、自民党は政府の方針の不足部分を指摘し、独自の予算案を策定し、『財政責任法』の制定を求めています(ワイドショー的な面白さがないのか、残念ながらマスコミでは報道されませんが・・・)。
以下に、政府の予算策定に関して特に問題だと思う点を2つ挙げます。

■問題点1)政策に矛盾がある

全体を見通していないので、理屈に合わない政策がそのまま残っています。
たとえば、「温暖化ガス25%削減」と「高速道路無料化」「暫定税率分撤廃(この公約は既に撤回)」の関係です。
高速道路を無料にし、ガソリンを安くし大量に使用して、どうやって温暖化ガスを25%削減するのでしょうか。
この矛盾のため、政府は25%を削減する道筋を具体的に提示できません。
目標が達成できなければ、外国から「CO2排出権」を購入しなければならないことは明白です。
外国から見れば、日本が排出権を買ってくれる可能性が高まるわけですから、一国のみ図抜けて高い日本の目標設定を支持してくれるのは当たり前です。

また雇用に関してもしかり。
政府は最低賃金を上げ、派遣労働を禁止します。企業にとっては一人当たりの人件費が値上がりするので、全体の人件費を現在と同じにするなら、雇用人数を抑えなくてはなりません。
そうなれば、雇用の機会が増えるはずがありません
また、今の政府のやり方では危険負担が高くなるので、採用に慎重になる企業が増えます。一気に労働力を投入して勝負をかけたい企業も派遣がなく、正社員での採用となればその危険も負いきれません。
つまり経済成長を潜在的に妨げている可能性もあるわけです。雇用の確保・拡大といった観点からすれば、矛盾しています。このような矛盾した事例はいくつもあります。

■問題点2)歳出と歳入がバラバラ

昨年の5月の段階で、税収入が40兆円を切ると指摘していた民主党は、にもかかわらずマニフェストで約束した政策に必要な歳出分だけ、ムダ遣いをなくして財源を確保するといってきました。
どの予算をどれだけ減らすかといった具体的な部分を明示していないので、漠とした議論しかありません。
そして、歳出分に見合うムダが見つからなかったのか、結局は国債発行に頼ることになりました。歳入に応じて政策を考えていなかったと言えます。

また主要国における成長戦略の一つである、成長促進型税体系へのシフトも必要となるでしょう。
これらの足りない部分を補うために、私たちは『財政責任法』の制定を提唱しています。前述したような問題点が出てくるのも、全体を見据えた目標がないからです。
今国会においても、十分な中期の経済財政見通しや、財政再建目標がありません。返済計画ができていないのに借金をするようなものです。まずはこれを策定すべきです。

自民党政権時には、経済財政諮問会議がこの作業を行ってきました。
「プライマリーバランス黒字化」の目標も示しましたし、多くの方々にお叱りをいただいた「医療費の抑制」も財政再建のために国民にお願いをしてきました。
具体的に事柄を示せば質問で突っ込まれるし、関係者からは非難を受けます。しかしそれを避けては本当の責任を全うすることはできません。
やるべきことを政府に実行してもらうために、私たちは『財政責任法』の成立を与党に求めています。具体性に欠き、入りと出が合わず、政策の整合性もないままでは、日本はどんどん落ち込んでいきます。
政策に対し、説明責任を果たしてもらうべきだと考えます。

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