2010年5月)台湾レポート その1

2010年05月06日

~常に大国の脅威にさらされる国の政治 日本はまだ甘い?!~

4月29日から5月1日までの日程で、台湾に行ってきました。台湾政府に招待された菅義偉衆議院議員に同行する形で、台北に宿泊。

馬英九総統をはじめ、朱立倫 副院長(副首相)、楊進添 外交部長(外務大臣)、呉英毅 僑務委員長(華僑業務担当大臣)など政府の要人や、王金平 院長(国会議長)、李鴻均 台日議員連盟会長などの国会議員、そして、李登輝元総統、黄茂雄 工商協進会理事長(経団連会長)、許世楷前駐日台北経済文化代表所 代表(前駐日大使)など、政治、経済、各分野の中心的な方々ともお会いする機会を得ました。

台湾が直面している様々な課題の中で最も大事なことに各人が必ず触れてくるので、みなさんとお会いしているうちに何が大事かが自然とわかるようになります。

■すべての課題は「国家」につづく

今、台湾で最も重要なテーマは、ECFA(エクファ)と呼ばれる中国との二国間の経済的取り決めを推進するのか、慎重にするのかです。与党・国民党が推進、野党・民進党が慎重派です。
これら一連の議論を見て感じるのは、台湾では経済的な話でも安全保障や台湾の存続という話と直結しているという事実です。超大国の中国は、台湾を一つの国として認めていません。折あらば、中国と一緒にしたいと思っています。それを防ぎつつ、九州よりも小さな面積の中で2,300万人以上の人口を有し、彼らをしあわせにしなくてはならないのです。

今回のECFAにしても、両岸(中国と台湾のことを彼らはこう言います)関係を緊迫させない、というのが大きな一つの推進派主張です。もちろん中国の経済大国としての現実も、利用しようという思いもあります。
慎重派は、不用意に中国に近づくとそのまま併合されていくという恐れを隠しません。今まで武力面では均衡を保ってきたわけですが、今度は経済面でがんじがらめになるのではないか、そしてあらゆる面で中国の影響力が大きくなっていくのではないかということを懸念しているのです。

■脅威と背中合わせの国の努力

否が応でも、台湾では国民が直接国のことを考えざるを得ない環境にあるのです。
日本とは随分違う、日本はまだまだ甘い、と思いました。

台湾とは国交がありませんので、台湾の亜東関係協会と日本の交流協会がそれぞれ外交の窓口となっています。今回は、台湾政府の招待だったこともあり、飛行機の到着から日本へ離陸するまで、亜東関係協会の方がつきっきりでお世話してくれました。
そのやり方たるや、徹底しています。予定時間の小一時間前からホテルのロビーで私たちを待ち、夜遅くの会合後までついて世話を焼いてくれ、とにかく私たちのリクエストには全力で応えようとしてくれます。

また要人も、時間の都合がつく限り訪問者の相手をします。そして、社交辞令であっても、今度は家族で来てください、と重ねて要請してきます。
中国という国が隣にあるから、親台派の人を作るのに一生懸命だということを実感します。

普天間基地移設問題で、「米海兵隊の存在は、必ずしも抑止力として沖縄に存在する理由にならないと思っていた。(認識が)浅かった」と、一国の宰相にあるまじき発言をする総理をはじめ、日本の政府や、国会議員、国民もこの国のような真剣さを、もう少し持つべきではないだろうかと思いました。