2009年3月-3)麻生首相への緊急提言

2009年03月24日

経済状況の回復の兆しが一向に見えてきません。
この急速に悪化する経済への対応として、自民党では菅義偉選対副委員長を中心に2月から「政府紙幣・無利子国債」の発行を検討する勉強会を開いてきました。
そして、一つの提言にまとめ、3月11日麻生首相へ緊急に申し入れを行いました。

■無利子非課税国債(相続税免除特典付き)

日本では、金融機関の経営に対する不信感や低金利の影響で、高齢者を中心に当面支出予定のないお金を家庭で現金のまま蓄える傾向にあります。
この「個人金融資産」を大規模な景気対策のための財源として確保することを目的に検討されたのが、無利子非課税国債です。

この無利子非課税国債は、一般の国債と異なり利子収入はありません(無利子)が、その代わりに死亡して財産が相続される際に、国債の額面分には相続税がかからない(非課税)ようにする仕組みです。

償還期間は10年、または20年とし、途中換金も認めるものとします。調達した資金は、雇用・失業対策、零細・個人事業主対策に重点的に活用することで、購入者だけでなく生活困窮者や中小企業へもその効果が及ぶことを狙いとしています。

■贈与税減免

贈与税減免は、高齢者世帯の保有する資産を消費意欲の高い次世代、次々世代に継承しやすくし、消費を刺激する狙いがあります。

3年間の時限措置として、贈与税のかからない基礎控除を、現行の110万円から2,500万円に引き上げ、さらに住宅資金は1,000万円、自動車購入資金は500万円、教育資金は200万円を上乗せすることを提言しています。

若い世代の消費を刺激することで、経済の活性化につながり、国民全体にその恩恵が及ぶことを目指します。

■政府紙幣・日銀による国債の直接引き受け

市中への紙幣の流通量を増やし、デフレ経済を脱却し、円高を是正するため、本来であれば、日銀が紙幣の発行量を増やすべきですが、それがなされない今、政府が直接お札を刷る政府紙幣の発行も検討するべきではないかと提言しています。
しかし、発行した政府紙幣が銀行に預金された場合、銀行から日銀に政府紙幣が回って、結果的には日銀が資産として抱え込むことになります。
つまり、実質的に日銀が無利子国債を直接引き受けることと同じであるため、政府紙幣にこだわらず、「日銀による国債の直接引き受け」でも構わないとしています。

円に対する国際的信用の低下や物価が急上昇するインフレを招く、などのリスクも指摘されますが、政府紙幣発行に際し、各国と同様にインフレターゲットを定めれば、インフレに関してはある程度のコントロールは可能だと考えています。

麻生首相も経済効果が極めて大きいとして、前向きな反応を示しています。

■さかい学的ポイント

日本にあると言われる個人資産1,467兆円をいかに経済対策につなげるか、が今回の施策のポイントです。
金持ち優遇などの批判はありますが、この非常時に、通常の施策では追いつきません。通常では議論も難しいようなことでも、今は本気で検討すべき時期であると私は思っています。

上記の3つの提言も通常の経済状況で行えば、”やけど”をしてしまうかもしれない「熱湯政策」です。しかし、今の冷え込みにはこれくらいが必要だ、ということです。

当然、無利子国債や贈与税の減免は様々な方法が考えられます。
国債は、購入額の制限をつけるのか、つけないのか。譲渡は認めるのか禁止するのか、などでありますし、贈与税に関しては優遇を基礎控除額で、税率を低く抑えるのか、それとも控除制度で行うのか、また、控除制度で行うのであれば、その金額についても、これからまだまだ議論が必要でしょう。

この件でもそうですが、おわかりいただきたいのは、私たちは経済対策という政策をしっかり考えさせていただいているということです。
少なくとも、私たちは政策一番でいきたいと思っています。