2009年12月)事業仕分けって何だったんだろう?

2009年12月01日

今回、新政権によって、大々的に事業仕分け作業がなされました。やり方や内容には多くの問題があるかと思いますが、この仕分けを公開の場で行ったこと自体は私も評価したいと思います。

実は同様の作業を、与党だった頃の自民党でも、河野太郎衆議院議員を中心に『無駄撲滅プロジェクト(略称「ムダボ」)』と称して行っていました。
また同様に、横浜市会でも鈴木太郎市会議員をはじめ、自民党市議団で6月に行っています。

つまり、事業仕分け作業自体は珍しいことではないのです。今回のように大々的に政府が行うということが注目を浴びたのだと思います。逆に言えば、この作業をしっかりと評価できなかったところが、当時の自民党の限界だったのかもしれません。

しかし、与党はもし来年もやるのであれば、いくつかの改善が必要です。

■事業仕分けの改善点

一つは仕分けをするプロジェクトの選定を官僚任せにせず、政治家が行っていくことです。今回は財務官僚がそのリストアップをしました。加えて、官僚が指摘して欲しい点をマニュアルにして仕分け人に配布するという念の入れようでした。その結果、官僚が描いた筋書き通りに事が進みました。しかし、これでは政治主導とはいえません。

例えば総務大臣がわざわざ仕分け会場に足を運んだくらい、今回、総務省はかなり槍玉に挙げられていました。「国税を担当する財務省と地方税を担当する総務省のせめぎあい」とも言えます。ここにも財務省の思惑を感じざるを得ません。

二つ目は各事業のヒヤリングをしっかり行うことと、その評価のあり方をはっきり公表することです。今回はすぐにお金にならないものはほとんど評価されませんでした。 例えば、ロケットやスーパーコンピュータに象徴される研究開発費。来年仕事にならない(成果を生み出さない)からと言って、ムダと評価するのはいかがなものかと思います。時間をかけなければ結果が出ないもの、また元々お金で換算したり評価したりするのが難しいもの、地域とか家族に関するものなどがそうだろうと思いますが、これらを評価する基準が必要だと思います。

後期高齢者医療保険を軽減する予算や、学童保育への補助金などは、元々95兆円の概算要求金額の中にすら入っていませんが、本当にこれらがムダなのか?逆に、「ムダとは何か」を明示すことがその評価基準を示すことになるのかもしれません。

三つ目は、その位置づけをはっきりさせること。今回95兆円もの概算要求を出し、予算をつけたのは鳩山内閣の各大臣です。その大臣決定をひっくり返し、削ると言っているのが仙石行政刷新大臣です。つまり、予算をつけたのも大臣、削っているのも大臣。
では、どちらの大臣の意向が正式なもの、つまり上位に位置づけられるものなのかが全く見えてきません。これから行われる大臣折衝も含め、鳩山内閣間の位置づけや関係ははっきりさせておくべきです。

■仕分けされなかった最大のムダ

また、削減額で言うと、「国でやる必要はないけれど市町村で行うべき」とか、「独立行政法人ではなく、本省でやればいいのではないか」というものもいくつかあり、計算上ほどは削減は進まないと私は思っています。

それより、ムダの最たるものがアフガニスタンのテロとの戦いにおける政策変更です。今まで行ってきたインド洋上の給油活動であれば、人的貢献と認められたうえ、世界各国に感謝をされて、年間約69億円の予算で済みました。しかし今回、鳩山政権は、この給油活動を止め、復興支援を行うと発表しましたが、その額およそ900億円(1ドル90円換算)。
しかも、アフガニスタン本土には人を派遣しないので、今後は人的貢献を改めて求められる可能性もあります。せっかく事業仕分けで削減した800億円超はこれで帳消しです。事業仕分けの前に、この政策の論議をしておくべきではなかったのでしょうか。