2009年11月)マニフェスト選挙って、何だろう?

2009年11月01日

鳩山政権が誕生して約2ヶ月。その間、初めての政権運営ということで、様々な改革案が出されています。例えば企業や個人が作った電気を、電力事業者が買い取ることを義務化するという思い切った構想も出てきています。
しかし一方で、今まで言ってきたことと異なることも次々と出ており、マニフェストって一体何だろう?と思わずにはいられません。

■マニフェストの「その後」

特に顕著なのは今回の普天間基地の移転の問題です。鳩山総理は野党時代から「国外もしくは県外移転」を主張してきました。
自民党は「長い交渉の経緯もある。米軍は時間の制約もあり急いでいる。現実的ではない」と説明してきましたが、やればできるのにやらないだけ、と鳩山総理は批判してきました。
にもかかわらず、選挙後、岡田克也外相が「選挙期間中に訴えたことは公約ではない」との見解を示しました。確かに民主党のマニフェストにも国外・県外移転とは明言されていません。
しかし沖縄県民の中には、国外・県外移転に期待して投票した人もいるはずです。もしその方針を転換し、県内もしくは現状追認という形に変わるのであれば、その理由を国民にしっかりと説明すべきです。

政権運営が選挙中の訴えに全く拘束されないというのは、政治の信頼をおとしめることになりかねないと私は危惧します。

また気になるのは予算編成です。中身もさることながら、まずは規模。
事項要求(概算要求の中で予算を明記していないが、予算化を目指したい政策)まで含めると98兆円とも言われる概算要求があがってきました。
平成20年度の当初予算は83兆円台、今年も経済対策の臨時分を含めて当初予算は88兆円台です。無茶苦茶に膨れ上がっているのがお分かりかと思います。

民主党は野党時代、「増税なし、国債増発なしで自分たちの政策は実現できる。なぜなら自民党政権の政策にはムダがたくさんあり、それらを省けば財源は出てくるからだ」と主張してきました。
今回の選挙でもそう訴えていたはずです。もちろんムダが全く無かったとはいいませんが、もし自民党政権にそれだけムダがあるのなら、まずはそれらを省いて88兆円台、もしくは83兆円台に抑えられるはずです。それができないということは、彼らが主張していたようなムダな予算は作っていなかったということです。

今回、健康維持という名目で、たばこ税増税の案が出ています。地球環境税という新税も出てきました。
これは車関係の暫定税率の廃止に伴って出てきたもので、2.6兆円の財源の穴埋めをするものです。
いずれにしても「増税なし」というお題目は取り下げられた形でしょう。

国債増発の件も「歳入減だから仕方ない」と言っていますが、鳩山総理は今年の5月に、既に税収が40兆円を割るであろうことに言及しています。つまり、現状を予期していて選挙戦を行ったわけです。
平成21年度当初予算の国債発行高は33兆円です。22年度の当初予算では50兆円超の国債を発行するとも言われています。

■鳩山式マニフェストの使い分け

こうしてみると、マニフェストって何だろう?選挙時の公約って、そして演説って何だろう?と否が応でも考えさせられます。マニフェストを隠れみのに、あるときは「(マニフェストに)書いてある」と言ってゴリ押しをし、ある時は「そこまで断言していない」と逃げる。
演説では詳しく説明をし断言しているわけですが、「演説は公約ではない」と言う。

私たちは建設的な野党として、彼らが発言を変更する時には、なぜ変えたのかということをしっかりと追究していきたいと思います。