2009年10月)政権交代、八ツ場ダムに思う

2009年10月01日

政権交代し、鳩山内閣が誕生しました。
新大臣の下で、新たな公約や目標が次々と打ち出され、政権交代をアピールしています。私自身も一国民として見て、張り切っていると感じますし、これこそ国民が望んでいた今までの病巣を取り除く「大手術」だと思います。
7割を超える国民が期待をするのもよくわかります。

今回打ち出されたアドバルーンの中で、総務大臣が公約した国の出先機関廃止は、私も渡辺善美さん(現・みんなの党代表)たちと一緒に実現を目指しましたが、できなかった案件です。
こうも簡単に新大臣に打ち出されてしまい、拍子抜けという感じもします。
30万人いる国家公務員のうち22万人は各地の出先機関にいます。22万人の職場をなくすことですから、大変な課題でした。
まさか全てを地方公務員扱いにする、などという国民をだますような方法はとれないでしょうから、どう実現していくのか期待しています。

■見え隠れする綻び

しかし同時にいくつものブレもあります。
総理自ら説明した、官僚の記者会見の全面禁止は早くも撤回され、中身が変わってきました。
高校無償化の政策も、マニフェストで家庭ごとに配ると言っていたやり方を変えるようです。各家庭に配らずに、自治体や学校法人に支給するという、自民党が推奨したやり方になるようです。

また、少子化担当大臣が、所得制限すべきと主張した子ども手当。
「所得制限必要なし」と言っていたものをいきなり変えるのも納得できません。なぜなら、何の新しい理由も示されていないからです。
この構図は麻生前総理が定額給付金に所得制限をするか否かでブレたのと一緒です。
今回はそれに加え、閣内が不一致です。民主党の大臣は所得制限をしない意向です。

簡単に政策を変えてしまう、すなわち大臣の発言を軽くしてしまうことに、私たち野党はしっかりと説明責任を求めていかなければならないと思います。

■各論としての八ツ場ダム

八ツ場ダムも当初の目論見と大きく変わってしまった一例です。
今の鳩山内閣は、個別の政策内容まで発表されていません。つまり、ムダをなくすとか政治主導だとか、総論を打ちあげているところです。
総論はみんな賛成です。しかし問題は各論です。
70%を超える支持率も、総論段階だからと思います。各論となればそういう訳にはいきません。各論はまず反対と相場は決まっています。

今回の鳩山新政権で現在出ている唯一の各論が、この八ツ場ダム問題です。各論だから次々ハードルが出てきて大変になっています。
変えるということには反対があり、大変なのは当たり前なので、そのこと自体が問題だと言っているわけではありません。

しかし、やり方はひどすぎます。地元の声を全くシャットアウトした中止結論で、それを現場に押し付けるのは民主的という言葉から最も対極にある手法です。
民主党内では結論に向けて物事を進めていく方針であっても、行政にそのまま当てはめるのは不適当です。
しかも、このまま事業を進めれば、事業費は1,390億円。しかし中止するとなると各都道府県への補償金・約1,500億円を含め2,200億円かかります。
その上ダムの代わりの治水工事にも新たに事業費がかさみます。

当初、八ツ場ダムの建設を止めてお金を浮かせ、子ども手当などの財源に充てる、といっていた説明が当てはまりません。
7.9兆円公共事業費のうち1.3兆円を省くと言ってきたマニフェストですが、今回の八ツ場ダムのように中止すると、費用がかさむ場合はどう取り扱われるのでしょうか?安易に国債の発行額を増やすことは、認めてはなりません。

■「これから」が大切です

また、麻生内閣時の補正予算で使っていない分を、子ども手当などに回すそうです。
しかし、今回の補正予算は、経済・景気対策が主目的です。仕事を増やし景気を良くすることが狙いです。
すでに予算が組まれていますので、対策を講じてきたところもあるでしょう。何の手当もなしに、凍結・撤回した場合、経済に悪影響がでることを危惧しなければなりません。
私は今のあり方では、十分な手当や段取りをして今の予算を撤回できるとは見えません。今年度末には、この夏と比べて景気が悪くなっているのではないかと心配をしています。

そして最後に指摘したいのは、保守派の人々が慎重に議論してきた懸案事項を、何の議論もなく通してしまう点です。
先日は早速、夫婦別姓の法案が言及されました。これから靖国神社の代替施設建設問題、外国人参政権の問題、人権擁護法案、国籍法改正など、国をどう考えるかといった多くの大事なものが、次から次へ出てくることと思います。

私を含め、国民は今から注視してしっかり考えていく必要がある、ということを喚起したいと思います。