説明責任と追及責任~与党を支える野党・自民党の役割とは~

2011年10月01日

民主党が野党時代あれだけ徹底的に批判してきた、「選挙を経ない政権」がまた誕生しました。今、野党として自民党がもっと政府与党に求めるべきは、説明責任だと思います。

■野党の役割
今までの二代の民主党政権に特徴的だったのは、政策の発表も、そしてその変更や撤回も説明がないということです。
国民にはそれでは、国がどこを目指し、何を考え、国民としてどう協力したらいいのか全く分からないままです。国の目指しているものを明らかにさせることこそ、野党としての重要な役割のひとつではないでしょうか。
たとえば、菅政権では年末まで延長してまでも国会は必要と主張しました。ところが、野田政権になると、臨時国会は4日間で閉めて、後は10月半ば過ぎまで国会は開かない、つまり国会は必要ないと主張しました。なぜ180度変わったのかの説明がありません。
最近問題になっているのが、八ッ場ダムの問題です。国土交通省が検討の結果、もっとも安価な治水、利水の方法はダム建設だと発表しました。ダム建設の中止をマニフェストに載せている与党に対して、真っ向から反対の結論です。
これについては、中止を決めた時の大臣が不快感を示し、前田国交大臣は建設是非の判断の先送りを示唆しておしまい。
しかし、これで終わりではなく、多くの人の人生を左右する話だから、当然民主党がこの八ッ場ダムを無駄の象徴として批判をした根拠を示し、なぜ無駄と判断したのかの説明をすべきです。そして説明がないのであれば、逆に自民党から説明を求めるべきです。

■「自民がえり」している与党
お気づきのように、普天間問題、子ども手当、外交、八ッ場ダムは、いつの間にか自民党の政策に戻っています。
現在進行中の案件でも、今国会で通すべき二重ローンの法案も、修正協議に入った原子力事故検証調査委員会設置法案も、またすでに成立したがれき撤去の法案や原発事故被害者一時金支払いの法案なども、自民党案が下地となっています。
それだけではなく、その政策を決めていく方法も自民党時代のものを取り入れました。
事務次官会議の復活、党の税制調査会の復活、党の政務調査会の復活、経済財政諮問会議の復活、与党の事前審査制の復活・・・と、これらは「不透明で族議員の温床だ」「政官癒着の大本で政治主導のためには邪魔だ」「政治主導を阻害している」ということで、それこそ、大騒ぎをして廃止をしたものばかりです。

■協力と追及
民主党党内の調整で遅れに遅れている第3次補正予算編成ですが、これにも自民党は成立への協力を表明しています。
補正予算に協力し、見える形での政策は与野党一緒になっているということもあり、野党としての存在感が出せず、何もしていないじゃないかとお叱りをいただくこともあります。だからこそ今の自民党は野党として、政府与党に対してこの説明を求めていくことこそ必要です。ここをはっきりさせることが、国民の皆さんの与党と自民党とどこが違うのだという素朴な質問に応えることにもなるのではないでしょうか。
そして、自民党の役割は財政再建論議を再開させることにあると思います。
これまで民主党政権での2年間、一度も提出されていないのが、財政再建の目標、工程表、そしてそれを実現するための具体的な手法である財政規律です。その必要性を熟知している野田総理ですから、今回はしっかり提出し、国民と共有する目標を設定してほしいと思っています。
小泉政権のときに、自民党は経済財政諮問会議でプライマリーバランスを黒字にするという10年間の中期的な目標を決め、工程表を出し、財政規律も決め、毎年チェックを受けていました。
批判も大いにいただきましたが、しかしその結果、かなりの成果も上がっています。この手法は、今、とても有効だと私は思います。

■「次」のための準備
そして、私たち神奈川自民党の衆議院浪人組は、昨年より、今までの自民党の55年にわたる政策の検証作業を行っています。
第一弾が終わり、それは谷垣総裁にも届けました。評価するべきものは評価をし、反省すべきものは反省をし、同じ過ちをせぬよう、同時に何が良くなかったのかも議論をし、まとめていく作業です。
私個人としては、時代の変化に対応してこなかったことが大きな反省点だと感じています。当初の制度設計は、悪くないのですが少子高齢社会到来を始め、インターネットの普及や低成長時代への突入など、時代は変化しているのに既存の枠組みにとらわれて対応を十二分にできていなかった政策が反省すべきものとなってしまったと思います。
現在の予定では、これまで行ってきた検証作業は来月で一旦切り上げて、その後はTPPの問題や脱原発、自然エネルギーの問題などオンタイムの問題に取り組んでいきたいと思っています。できれば、現地での視察も大いに入れていく予定です。
この検証第一弾の内容は、自民党神奈川県連のホームページの県連情報からご覧いただくことができます。ご興味のある方は是非ご覧ください(URL: www.kanagawa-jimin.jp)。今後とも私たちは単なる傍観者ではなく、私たちにできることを着実に進めていきたいと思います。