自然農 ~農の新たな切り口~

2011年01月01日

<その2・タネのこと>

自然農は「自然の法に最大限則した人間が行う農法」です。「耕さず、肥料、農薬を用いず、草や虫を敵としない」のが特徴です。福岡正信氏が最初に提唱したもので、私は川口由一氏からいろいろ教えていただいています。

食糧安保という観点から考えると、自然農には大きな役割があるのではないかと私は感じています。それは種子(タネ)の面からです。
今、日本の農業において生産されている野菜などの種子は、ほとんどアメリカから毎年輸入されています。
F1という種で、収穫できる生産物は大変立派で、商品としては優秀なのですが、種子ができないという特徴があります

種子を自分で採取して管理し次の年に撒くよりは、種子を購入して形のよい野菜を収穫し、付加価値をつけて売却した方が儲かるという経済構造の中で、日本の種はほとんど残らなくなってしまいました。これでは万が一にでもこの種子の輸出が止められれば、日本の農業は崩壊します。種子が撒けないわけですから。

自然農においては、種子は必ず自家採取します。子孫を自ら残せるような生命力のある野菜を、私たち生命体である人間も食することが最もよいのだということです。
ですから種子を輸入に頼ることはしません。長い間その地域で生命を繋いできた野菜こそが、やはりその地域の風土の中で生きていく人間にも最適だという考え方なのです。
穀物メジャーと言われるアメリカの数社に世界の種子が握られている現状のなか、本当の意味で安心を確保するには自分で種子を確保し続けるしかありません。
自然農はその意味においても重要な役割を果たすと思っています。

この自然農は、生産手段、思想共にこれからの社会に最も必要なものを含んでいると感じています。これから何回かにわたり、この自然農の視点からコラムを書いてみなさんにお伝えしたいと思います。
そして今年も、様々な角度から「安全保障」を考えていきます。皆様からのご意見をお待ちしております。

※冒頭写真:昨年奈良県で開催された自然農の研修風景。全国から、この法を広げようと、多くの方々が学びにやってきました。