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自民党は何をなすべきか~今の政治の流れに歯止めをかけるために~

2012年01月01日

昨年は自然災害に特徴づけられる年となってしまいました。今年は昨年とは違い、そういう意味でも平穏な年になってほしいと思います。
同時に私たちは昨年の災害から、より多くのことを学ぶべきです。特に危機管理です。昨年末に公表された原発事故の検証委員会の中間報告で、官邸が全く機能せず、逆に混乱の主原因となっていたことが明らかにされました。本来、被害を抑える方向で働くべき政治が、役割を果たさないばかりか、逆の動きをしているようでは、国民の期待に応えているとは到底言えません。
しかし、自民党も支持率を見る限り、国民の期待に応えているとは言えません。民主政権がどうしようもなくなるのと同時に、「民主不信」ではなく、自民党も含めた「政治不信」として国民に捉えられています。それは自民党と今の政権とどこが違うかをはっきり示せていないからではないでしょうか。

■自民と民主の違い
両党の中での一番の違いは何か。それは、自民党は国際社会の競争の中でも勝ち抜いていける日本を目指しているということではないでしょうか。そしてそれは、流した汗が報われることを信じて、懸命に努力する社会でもあります。その、一人ひとりの努力が国の活気を生み出します。
今の民主党政権の特徴は、「バラマキ型」「手当て中心主義」ですが、この手当てという考え方は、みんな同じだけもらえるものですから、「がんばった人もそうでない人も同じ」ということを意味します。であるならば、「ラクして結果が一緒の方が得」という社会となり、その結果、日本は世界の中で取り残されていく心配があります。
一人でも多くの人が働く側でがんばってもらう社会が必要で、そのためにどういう環境をつくっていくべきかが問われています。

■政治がとるべき考え方
私は「自助・共助・公助」という考え方を基本に据えるべきだと考えます。
「自助」の割合が高い社会は、支える側の多い社会です。そうすることで、そこには自ずと生き残っていくための創意工夫が満ちることになり、活力ある社会になるはずです。
そして、自分たちでは無理なときに初めて地域のみんなの応援を求め、協力する。それでも及ばないときに、行政が税金を使って支えていく。そういう原則で進めていくことが大切だと私は思います。
そのために今の政治の中で転換が必要ないくつかの課題があります。

■「流した汗が報われる社会」づくりのために
その一つは安保・外交です。各国とも自国の国益を最大にするため、化かし・化かされの交渉を行なっているということを認識し、相手の善意を期待するような交渉からは卒業するべきです。TPPの議論のときも、日本に有利な状況をつくれるのではないかという主張がありましたが、あくまで各国は国益で動くのですから、日本のどの部分がその国の国益に合致し、共同歩調を取れるのかを冷静かつ厳しく見る必要があると思います。また、最低限、自国は自国で守るという強い意志を示し続けないとなめられるということも理解しなければいけないと思います。
二つ目は教育です。特に子どもたちに考えさせる教育をさせていくべきです。昨年4月から、地元中学校のPTA会長として体験させてもらうなかで、子どもたちの能力や「伸びる力」は、目を見張るものがあると感じています。だからこそ自分たちでしっかりと考えることが大切だと思います。
昨年、教科書採択で大きな話題となったので、私も何冊か歴史の教科書を読み比べてみました。
例えば、第二次世界大戦の折に、日本が中国大陸はじめ海外に侵略しましたが、その理由をしっかり考えさせるものは「育鵬社」の教科書だけだと思いました。他のものは、なんで日本が侵略をしたのか、その理由がわからないものでした。当時の指導者の苦悩や努力も伝わらず、時代の雰囲気も分からず、これでは日本は本当にただ愚かな決断を続けてきた「バカな国」になってしまいます。そんな国、もしくは国の歴史に敬意を払えるはずはありませんし、なぜかを考えるからこそ、次は同じ過ちをしなくなるのではないでしょうか。
そして最後は、やはり官僚との付き合い方です。
先述した検証委員会の中間報告によると、官邸の中の地下にある危機管理センターと5階の首相執務室の間で情報共有さえできていないということでした。現場では海水注入が既に行われていたのに、5階ではまだ海水注入の是非について議論をしていた、ということがわかりました。これは顕著な例ですが、せっかく税金で抱えている組織網や情報を無駄にしています。
政府の官僚への不信感からくる結果なのでしょうが、政治主導は政治が彼らの能力を活かしきって初めて政治主導と言えるのです。バラバラに動いているだけでは、ムダにしていることにしかなりません。
私は政治の真のリーダーシップとは、方向を決めて、覚悟をもってそちらに進むことだと考えます。今の、方向さえ決められない、方針さえ出せない政治から、私たちは勇気をもって指針を示す政治へと脱皮する覚悟を持ちたいと思います。
どちらにしても、こんなことをしていたら日本がどんどん衰退していく一方です。今年はその流れに何としてでも歯止めをかける年にしなければいけないと思います。