求められる覚悟 ~社会保障・税一体改革法案を進めるために ~

2012年07月01日

■造反者に求められる「代替案」
6月26日、衆議院本会議で社会保障・税一体改革関連法案が採決されました。消費税法案では、与党民主党から57人が反対票を投じ、16人が欠席・棄権となり、70人以上が造反する形となりました。
造反するのも、その行動の結果も自分が引き受ける覚悟をもって政治家として決断したのですから、そのこと自体を批判するつもりは私にはありません。
しかし、反対するのであれば、代わりの財源をどうするのかを国民に示さなければ、無責任のそしりを免れません。
社会保障財源が不足して、政府は今「つなぎ国債」も検討しているところです。反対派はこの財源不足を消費税以外の増税でまかなうのか、社会保障サービスをカットするのか、もしくは借金をし続け、財政をより一層悪化させるのか、現状への対応策をはっきり示すべきです。
ここをごまかしている以上、2009年の民主党マニフェストと一緒で、彼らが信頼されることはないと思います。

■「国民会議」の構成員が肝心
社会保障は今の政治の最も大きな課題です。自民党が政権を担っていても、すべてこれでうまくいく「ウルトラC」などありません。
与野党のみならず、日本中の知恵を出して、支える人がどんどん減り、支えられる立場の人がどんどん増える日本で、国民が安心して暮らせる仕組みを作ることが必要です。
今まで政局・選挙に絡めてきたテーマなので、どうしてもオブラートに包む表現になったり、楽観的な前提での議論になっていました。
今回の採決に社会保障制度改革国民会議の設置が入っており、一年以内に議論をまとめることになっています。骨抜きの審議会のようにするのではなく、実効性のある機関とすべきで、ここを知恵の結集の場にすべきです。
そのためには政治家を委員として入れろという民主党の要求に自民党は断固反対し、政局を持ち込まないことを徹底させることが必要だと私は思います。
そして冷静に考え、現状に即した制度を提案してもらうことです。おそらく、穏やかとは言い難いものとなるでしょうが、それをたたき台に国民的議論としていくべきです。
そして、方向性が決まれば、政治の責任として、それを実現していかねばなりません。

■「全世代で負担」という考え方
今回の消費税の税率アップの根底には、現役世代の負担の緩和という発想があります。
今のままでは不足する財源負担は、現役世代で収入のある人だけにかかってきてしまいます。
親の世話をし、子育てもあり、自分達の定年後も考えていかねばならない世代です。この世代に過重な負担を強いることは、社会のひずみをもたらし、活力ある国にはなっていきません。
バランスを考えれば、各年代層の様々な方に税負担をしてもらう消費税は避けられないと考えます。

■財源確保のためのその他の政策
しかしそれは、私たちの生活がより安心したものになるために導入すべきものであり、そのために、暮らせなくなったり、今より困る人が多くなるようではいけません。
消費税導入には、自民党が主張してきたとおり、日銀をも巻き込んでの金融対策やデフレ脱却のための経済対策、低所得者向けの措置、そして税を転嫁できないということが起きないような対策など、いくつもの対策を同時に行っていく事が必要です。
一つの政策を変更すれば、それに伴いいろいろな変化が出てきます。その変化の負の影響を最小限にしていく対応が求められます。
税収増と同時に、支出を抑えるという観点も必要になります。家族、親戚、地域などのあり方も含め、総合的な判断が求められるでしょう。
ここは国民会議において十分検討してもらうべきです。社会保障の課題は最も大きな「時代の矢面」です。政治家に改めて勇気と覚悟が求められています。