日本の領土を守るために ~国境付近の防衛体制の見直し~

2012年04月01日

■世界第6位の海洋大国
日本は小国だとお考えの方が多いかと思いますが、平成22年の統計では人口で世界10位、面積でも60位とされていて、世界の中においては決して小さな国ではありません。ましてや、領海と排他的経済水域(EEZ)を合わせた海域は、国土面積に比べ約12倍もの広さとなり世界で6位となる海洋大国です。
日本は島国。国境はすべて海です。領土問題はもちろんのこと、水産資源としても、地下埋蔵資源としても、海洋権益は莫大なものがあります。しかし、まだまだその認識と対応は十分とは言えないと私は思っています。
国境周辺にも99の無人島がありますが、そのうち39は名前さえなかったわけです。まず第一歩として名前を付けることになりましたが、単にそれで終わらずこれら離島をうまく活用することを考えるべきだと思っています。

■国境付近の現状
近年、特に政権交代後には、国境付近でさまざまなトラブルが増えてきています。早急にこれらへの対策を拡充する必要があると思います。すなわち、海上保安庁が警備活動するのに際し、もっと現実に即した対応ができるようにすべきです。
平成19年4月に「海洋基本法」が制定され、その後平成20年6月に「領海等における外国船舶の航行に関する法律」が成立し、現在はこれらに即して海上保安庁の警備は行われています。
もともと、海には領海に他国の船が入ったとしても、それだけでは犯罪行為とはなりません。無害通航権が認められるので、無害であることがはっきりすれば、その無害通航は妨害できません。通航は継続的かつ迅速に行うこととなっておりますが、それに反する行動、たとえば無許可の停船や投錨がなされて初めて、強制的な立ち入り検査が実施できたり、強制退去を求めたりできるわけです。
しかし、尖閣諸島近辺で起きている事態を振り返り、またありうる事態を想定しても、これでは不足だと感じざるを得ません。そこで、今も議論されている法整備を一刻も早く進める必要があります。

■海上保安庁に付与すべき権限
まず、無人島において外国人が無断上陸した場合、現状では海上保安庁が海上における犯罪だけに対処することになっているため、何もできません。わざわざ、その無人島まで警察官を呼んできて対応させるなどというのは現実離れしています。なので、離島については行政警察権や司法警察権を海上保安庁に付与すべきです。
次に、現在は乗組員と乗客にしか認められていない質問権を広げることが必要だと言われています。たとえば、船の持ち主や会社、荷主や関係者などです。とにかく考えられる対応を気にせず海上保安庁ができるように環境整備することです。
そして、退去命令に先んじて、立ち入り検査が義務付けられている現状を、船舶の外観などから判断して不審だと思われるときには、即刻退去命令が出せるように改正すべきです。漁船を装い、たとえば、多数の船が一気に尖閣諸島の魚釣島に押し寄せる事態は当然想定しておかねばならない事態です。その時、一隻一隻立ち入り検査をしてから退去命令その他の対応をしていたら、対応しきれず、上陸を許してしまうことになってしまいます。
また、航空機で不審船を見つけても、わざわざ巡視船に連絡を入れ、立ち入り検査をしなければ退去命令が出せません。これも直接出せるようにする必要があります。
そして、領海のみならず、排他的経済水域に関しても国内法の整備が必要ではないでしょうか。
また、現場での海上保安官の安全確保も大きな課題です。
近年、漁船を装うパターンが増えています。しかし、中に何を積んでいるのか、どのような武装を彼らがしているのかはっきりわかりません。そこに、検査のために保安官は乗り込んで行くのですから、危険と隣り合わせの業務をこなしているわけです。今でも、ヘルメットや防弾チョッキの着用は行われていますが、せめて、交戦規則はしっかり決め、十分な対応を行い、少しでも憂いなく職務に専念できる環境を作るのは政治の役目の一つだと思います。
他にも、海上自衛隊が海上警備行動の発令なしに海上警備を行うことができる仕組みづくり耐用年数を大幅に超えている巡視船や航空機の入れ替えなど海洋大国日本の国益確保のためには、進めなければならない対策がまだまだ残っていると思います。

■主張し行動すること
日本はしっかりと国際社会に対して、海洋権益を守る意思と行動を示し続けることが必要です。少しでもそれを怠れば、北方領土に大統領が訪問したり、竹島に軍の恒常施設を作られたり、漁船監視船が頻繁に現れたりすることになります。平和も領土も国益も努力をしなければ、損なわれてしまうことをもう一度肝に銘じていきたいと思います。