憲法改正をめざして~主権国家にふさわしい憲法とは?~

2012年06月01日

■現状に合った「約束事」
立党時の政綱にもはっきりと「現行憲法の自主的改正」を掲げているように、自民党は憲法改正をめざす政党です。特に日本社会の大きな転換点であった先の大戦から60年以上の歳月が過ぎ、当時とはかなり社会の状況が変わり、想定していなかったことや状況が生まれてきています。法律は日本国民の間での約束事です。約束の中でも最も基本の約束事が現状とかけ離れているのはよくありません。欧米各国も、アメリカの6回からドイツの58回まで回数に開きはありますが、改正しています
日本が主権を回復したサンフランシスコ講和条約から60年になる今年の4月、自民党は「日本国憲法改正草案」を発表しました。私個人としては、憲法はできる限り簡素にし、日本のとるべき考え方や方向性の大枠を示し、具体的には各法律を持って規定すべしと考えているので、少しいろいろ書きすぎかなとも思います。また、国会の二院制を一院制にすることや、二院制を残すのであれば衆議院の優越をもっと明確に位置付けるべき、などと感じています。自民党のホームページには全文が掲載してありますので、一度見ていただいて、憲法を考える一つのきっかけにしていただきたいと思います(http://www.jimin.jp/policy/policy_topics/116666.html)。

■今回の草案のポイント
現行憲法には、家族、親せき、生まれ育った地域つまりふるさとなどの概念がすっぽりと抜け落ちています。戦前・戦中の日本や日本軍の強さの原点が家族と故郷への愛にあったとして、日本弱体化のために削られたと指摘をする方もいらっしゃいますが、これらに関する記述がないのは不自然だし、私は絶対に必要だと思います。これらは前文や第3章の中に今回書かれています。特に家族に関しては、孤独死や生活保護に関する扶養義務など社会問題ともなってきており、また今後の社会保障の課題の対応に関しても大事な論点となってきていますので重要です。
天皇は元首であり、国と国民統合の象徴であること、そして国旗は日章旗、国歌は君が代とすることも明記されました。オリンピックやワールドカップの表彰式などで流れる君が代、掲揚される日章旗を見て万感の思いがこみ上げてくるのは、国民共通の自然な感覚だろうと思います。しかし、国旗国歌法の制定時には党内の賛否がまったくの五分五分に割れ、党議拘束すらしなかった民主党が与党なので、明確に書き込むことは必要です。
財政の健全性の確保規定も入れてあります。小泉政権時でも、10カ年計画を策定しており、この計画と実際との違いを国会などでもかなり追及されたものでした。これも政権交代後、財政健全化への計画、道筋などを示すことが、震災などを後付けの理由として全く放棄されています。これでは、いい方向に向かうわけがありません。憲法に入れ込めば、強制力も出てきて無視できなくなります。
また、選挙権の国籍要件規定や環境に関するもの、在外国民の保護や犯罪被害者への配慮などは、近年、テーマになってきている内容に応えるものだと思います。
そして、昨年の大地震、大津波などの災害時、もしくは戦争状態などの有事や緊急事態への対応も憲法草案に書き込んであります。現憲法では、不十分なところです。
先月末から、国会におかれた原発事故の調査委員会が、前総理をはじめとする原発事故時の閣僚へのヒヤリングを始めました。爆発さえさせなければこれほどの放射性物質をばらまかなくて済んだのですから、緊急時の対応の大切さ、重要さは今後の報告書でもいやというほど感じる中身になると思います。
そして何より大切なのは、憲法改正の要件緩和です。このハードルが高いので、改正を真剣に議論する風潮も作り出せませんでした。国会議員の定数の2/3以上の賛成が要件として要求されていますが、それを衆参それぞれの過半数に下げようとしています。
最終的には、国民投票で全国民の意思を聞くことになるわけですから、ここまでマスコミも発達している今、最初のハードルは下げる、まず、ここを憲法改正の初めとして行ってもいいのではないでしょうか。
私たちの生活が多様になるなか、憲法が想定しなければならない事柄も増えていきます。その変化に合わせて約束事を作っていくのが必要です。憲法改正を改悪と決めつけて恐れるのではなく、今にふさわしい国の在り方を常に模索していく姿勢こそが望まれると私は思います。