今こそ毅然とした態度で立ち向かえ

2012年08月15日

今年の終戦記念日に合わせるかのように、韓国、中国との問題が具体的な形で表面化しています。
政権交代前には考えられなかったことを、次々と言われたり実際にやられたり、取り返せない既成事実を作られて、日本の国益を大いに失ってきていることを大変悔しく思います。
元々、領土や戦争に関する争いは、公になるとそれぞれの国が、それぞれの国民のナショナリズムに押され譲歩できなくなります。ですから、事件にしない、させないために、外交でどこまで対処できるかが、本来外交に求められる能力だと思います。しかし、今回のこの一連の流れを見ると、韓国、中国が今の政権と時期を狙って事件にしていることは明白です。政権交代後の600人もの大訪中団、海上保安庁の船に衝突した漁船の船長の釈放という対応、また韓国には日韓併合100年にあたり菅直人前首相から出されたお詫び談話、「朝鮮王朝儀軌」などの図書の引き渡しなど、自民党政権時代の政策を軌道修正させた「配慮外交」が裏目に出ていることは言うまでもありません。「友愛の精神で臨めば友愛の精神で返してくれる」などという国際社会ではありません。こちらが一歩下がれば、向こうは一歩出てくるのが国際社会です。

韓国との関係について
昭和40年6月22日にできた日韓基本条約の中にある日韓請求権協定で解決済みとの立場を日本は採っています。このことをもっとアピールすべきです。韓国の国家予算が3.5億ドルだった時に、無償、有償、民間借款合わせて11億ドルもの経済援助を、この協定に基づいて日本は韓国に対して行っています。対象となる韓国国民一人ひとりに日本が補償を行うという日本側の申し出をわざわざ断り、この形でという韓国側の希望に沿って行った援助です。
従軍慰安婦問題でも、野田総理は「共に知恵を出しましょう」と追従するのではなく、はっきりと日本の立場を主張すべきでした。李大統領は、天皇陛下への謝罪要求や竹島上陸も行いました。両方とも言語道断であることは、論を待ちませんが、そういうことを行うことが韓国や大統領にとってプラスになると判断させること自体、本来させてはいけないことです。しかし、させてしまった以上は、たとえ日本にマイナスが降ってこようとも、ここは毅然とした対応が求められます。

尖閣諸島について
中国兵が民間人に擬して船に分乗し、尖閣諸島に上陸、占領という最悪のシナリオも現実味を帯びてきたという危機感を感じます。
この背景には、東京都の尖閣諸島購入計画、それに伴い総理が国会で答弁した、国による購入計画があると言われています。これらが余計に、刺激をし、エスカレートさせたと。これも、東京都の話に総理がとどめておけばまた状況は変わったと私は思います。そうしておけば、地方自治体の話だから仕方ないという逃げ場ができます。今回も中国は、香港の元々反政府組織である団体に出航させて、福建省からの団体には出航を許さず、言い逃れを作ってきました。日本のように、自ら使えるカードを消していくようでは、とことんまで行き着くしかなくなってしまいます。
今回は、日本の基本的な秩序を守れるのかどうかの重要な場面だと思います。当然上陸し逮捕された5人は裁判を行い日本の法律に則って裁くべきです。もし、ここで単なる強制送還で終わってしまった場合、今度は日本人の上陸者に対してどうするのかといった問題にも突き当ります。また、ますます中国などの不法上陸者が増えてしまう可能性も否定できません。

今回の一件で忘れてはならないこと
一つは、防衛力が十分でないと領土は侵食されるということです。日本の領土紛争地域である3か所のうち、北方領土と竹島は先の大戦後日本の防衛力が不十分なときに占領されてそのままとなっています。しかし、尖閣諸島の領有権を中国が主張し始めたのは昭和40年代半ば以降だったので、占領されることなく日本の実効支配のもと今日まで来ています。
二つ目は、国と国がナショナリズムでぶつからないような外交上の工夫が必要ということです。ぶつかれば、経済的にも犠牲を出さずには治まらなくなります。
三つ目は、アメリカとの関係です。アメリカも本来今まで一定の日韓間の争いの抑止力だったと私は思います。極東のパワーバランスの中で、日本と韓国がぶつかり合うのはアメリカにとっても望ましいことではありません。しかし、今回はそれが見えません。鳩山政権から続く、日本とアメリカのぎくしゃくとした関係からアメリカの働きが今までとは違うことに気がつきます。
また、近いうちに解散をすると言い、退陣が見えている首相とまともに交渉をする国は世の中にはありません。そういった意味では、外交的にはすでに立派なレームダックである野田政権では外交果実はとれないということです。一刻も早い、安定政権が望まれます。
四つ目は、周りの環境によって対応は変えるべきということです。竹島問題は、国際司法裁判所の裁定に持ち込もうとしていますが、負けるだろう韓国は当然了承しないでしょう。占領されている竹島問題は、多くの国々や人々に真実を知ってもらったほうが単純に日本にはいいのです。
しかし一方で、日本が実効支配している尖閣諸島は、現状を維持することが大事ですから国際社会に知られていなかった政権交代前は、波風を立たせないことで十分だったわけです。しかし今は、衝突事件以降、ここの紛争そのものがメジャーになりつつあります。そうなると、今度は一方的な中国の言い分に国際社会が流れないように、日本の立場も主張することが必要となってきます。東京都が行った意見広告なども今となってはタイムリーだったのではないかと私は思います。
そして最後に、4月の時報紙でも主張させていただきましたが、領海を守る体制作りを一刻も早く整えないといけません。海上保安庁法改正により、海上のみならず離島でも警察行為ができるようにしたり、場合によっては巡視船での臨検を省くことができたりという現場に即した改正が必要です。また、もし今回の上陸の場合も、単なる民間人ではなく火力を備えていたとするならば、占領されてしまった恐れは十二分にあります。海上自衛隊とも密接に連携して、国境の場合などは自衛隊の協力を借りながら対応するなどの方法も取り入れていく必要があると思います。