ねじれ国会が失った国益

2013年06月29日

とんでもない、と怒りを覚えた通常国会最終日でした。
なんと、6本もの重要な法案が野党によって葬り去られ、国益をまたしても損なうことになったからです。しかも、その6法案とも、衆院では与党だけでなく民主党などの野党を含む6会派で成立していたものです。
平田参議院議長不信任決議案を与党側が出したり、野党は国会終盤安倍総理の問責決議案を提出したりするなど、政治ですからいろいろあります。
いろいろあっても、これらの状況を見たうえで、民主党は最終日前日の夜、与党側の働きかけに応じて「法案を成立させる」と細野幹事長がテレビで会見したわけです。
報道番組で見れば、当日の朝9時半過ぎまで、海江田万里代表が「国民の生活が先。法案が先だ」と言っているではありませんか。
つまり、前の日には法案は成立させると与党に約束しておいて、当日の朝もそのつもりで代表がテレビカメラの前で発言しているのに、それをその1時間後にはひっくり返している。約束を破っているところが無茶苦茶です。
経緯は、輿石氏が納得しないとか、参院選で野党共闘するために、ここで足並みを乱せなかったなどの、「国民不在」の理由からです。
ひどい話です。
代表・幹事長が決めた方針が簡単にひっくり返されるという、民主党という一野党の党内の無秩序が、国益をこんなにも損なうことになるのです。
これがこの間まで続いた「決められない政治」であり、この政治に終止符を打ったのが安倍政権でありました。
しかし、ねじれ国会が安倍政権にもこの「決められない政治」の構図を持ち込んでしまったわけです。
約束が何の説明もなくひっくり返されれば、誰がその政党を信用しますか?
信用できない政党と話し合いができますか?
不信は政治を行う上で、ものすごくマイナスです。
ロスを増やします。
私たち安倍政権、現与党は改めて不信がはびこる政治から、「公約は守る」という信頼を醸成できる政治へと、その変化の努力を続けているところです。
だからこそ、ねじれ国会はもうたくさんです。

私たちは、6月14日に骨太の方針と成長戦略を発表してきました。しかし、ねじれ国会で、今回のようなことが起きるのであれば、これらの政策が実現できるはずがありません。
今回の6本の法律ですが、生活保護や生活困窮者を支援する法律が2本ありました。
彼らへの新たな支援は先延ばしになります。
電気事業法は3.11の後のエネルギー分野の改革の中で必要だといわれて出されたもので、電力会社の地域独占を見直す第一歩でした。
海賊法と呼ばれていた日本船舶に警備員を乗せられるようにする法律が廃案になったので、中東から来るタンカーは30か国以上がありますが、法律が未整備である日本とギリシャのタンカーのみが海賊に狙われている現状を変えることができませんでした。シーレーン確保に不安が残るままです。
そして何よりひどいのは、中国が日本の水源地を買い漁っているという報道に心を痛めている方々が大変多いと思いますが、それに対処する法律2本が廃案になってしまったことです。
これは最初から廃案を狙っていたのではないかとも言われていますが、これらの法案は多くの国民の声を受けて超党派の議員立法で準備したものでした。本当に残念でなりません。
前政権は3年3か月の間、マニフェストの公約を何の説明もなく次々と破棄してきたのですから、今回に始まったわけでなく仕方ないのだろうけれども、国益を考えればそれでは済まされないという焦りを強く感じます。

あくまで国益を求めるために、私たちは国民に示した骨太の方針と成長戦略を毅然と進めていきたい、と思います。
そのための環境を、ねじれ解消という環境を与えてもらえるようにとにかく訴えていきたいと思っています。